エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.952
2021.01.11 更新
文:/撮影・pepe
最後のテストでは、バックライトの強制点滅によりモーションブラーを軽減する機能「アンチモーションブラー」の効果を確認しよう。なお「アンチモーションブラー」は、ディスプレイ同期、および一部画質補正機能と排他的利用になるため注意が必要だ。テストではリフレッシュレートを165Hzに設定し、「Blur Busters UFO Motion Test」で確認、先ほど同様にデジタルスチルカメラのスーパースローモーションで直接撮影している。
「Optix MAG272C」の「アンチモーションブラー」を有効にすると液晶全体の輝度が下がるが、これはバックライトの強制点滅による仕様。一般的に「モーションブラー低減」と言われる機能はすべて画面の輝度が下がるものの、実際に肉眼で見ている際はそこまで気にならない。
そして「アンチモーションブラー」により赤フレームが挿入されると、残像部分が見えにくくなり残像感が減ったと感じることができる。この赤フレームの通過直後に強いシアン色が確認できるが、その効果は一瞬のため「輝度が下がった」以外の印象(“赤っぽい”や“シアンっぽい”)を受けることはないが、明転した際のシアン色が強いため、背景色がホワイトに近い部分では一瞬白飛びのような現象が起こっているようにも見える。これはバックライトの点灯時間減少で輝度低下を補うために、一時的に輝度を高める機能の影響だろう。
「Optix MAG272C」は、RGBイルミネーションや便利な角度調整機能を大胆にカットしているが、どちらもそれ自体がゲーミング性能に直結しているわけでは無い。上位モデルである「Optix MAG272CQR」との決定的な相違は、解像度がWQHD(2,560×1,440ドット)からフルHD(1,920×1,080ドット)へダウングレードしている点だ。言い換えれば、解像度の部分さえ妥協、または実際のプレイで支障がない、あるいはフルHD解像度でのプレイがメインということであれば問題は無し。さらに現時点でWQHD(2,560×1,440ドット)解像度をサポートしないPS5用ということであれば、なおさらプレイスタイルに合致したお買い得モデルとなる。
ゲーミング性能だけでなく、高コントラストでメリハリのある描画と8bit+FRCに対応する広色域かつ豊かな色彩表現を実現する点も見逃せない。また、ゲーミングOSDやデスクトップアプリを採用することで、ユーザー側でカスタマイズ可能な範囲も上位機種同様の品質を保ち、それでいてDisplayPort 1.2a、HDMI 2.0、USB Type-Cといった柔軟な入力インターフェイスに対応している。PCだけでなくコンソールゲームも同時に楽しみたいユーザーや、この機会に初めてゲーミング液晶の購入を検討しているというユーザーにとっては価格以上の魅力を備えているイチオシモデルだ。
協力:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社