エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.958
2021.01.31 更新
文:撮影・こまめ
ストレージは中上位モデルが1TB M.2 SSDで、下位モデルが512GB SSDだ。評価機で使われていた1TB M.2 SSD(型番:ESR01TBTLCG-EAC-4)はPCI-Express3.0(x4)接続の超高速タイプで、デフォルトのテストでは十分なアクセス速度が出ている。シーケンシャルリードよりもシーケンシャルライトのほうが高速なのは珍しいが、特に問題なく快適に利用できるだろう。データサイズを64GiB、テスト回数を「9回」に変えて計測を3回連続で行なったところ多少アクセス速度が低下したが、体感的に遅く感じるほどではないはずだ。クリエイター向けノートPCでは大容量の動画や写真を出力する機会が多く、ストレージ性能が使い勝手の良さに直結する。SSD的には最高性能ではないものの、不満なく利用できるに違いない。
「CrystalDiskMark 8.0.1 x64」による1TB M.2 SSDのアクセス速度計測結果(左)。高負荷な処理(64GiB×9回を3セット)を行なうとアクセス速度は低下するが、大きな影響は出ていない(右) |
3Dベンチマークソフト「3DMark Version 2.16.7117 64」から、フルHD環境でのDirectX 12のパフォーマンスを計測する「Time Spy」の結果は以下のとおり。
Microsoft Azure AIの有効/無効を切り替えながらテストを行なったところ、「Edge AI」をオンにしているときが最も高いスコアだった。AI無効時だと同じNVIDIA GeForce RTX 3070の平均値に届いていないが、有効にすると平均値を上回る。GPUに高い負荷がかかる処理では、Microsoft Azure AIを活用したほうが良さそうだ。パフォーマンス的には前世代のハイエンドGPUであるNVIDIA GeForce RTX 2080には及ばなかったものの、ミドルハイのNVIDIA GeForce RTX 2070を上回った。数値的には順当な進化だと言える。
同じく「3DMark Version 2.16.7117 64」から、DirectX 11のパフォーマンスを計測する「Fire Strike」の結果について。
DirectX 11のテストでも、DirecX 12 (Time Spy)と同様の傾向だ。スコアはNVIDIA GeForce RTX 3070の平均値よりも低いものの、Microsoft Azure AIを有効にすると10%程度スコアが上昇する。ゲームについてはフルHDであれば快適に動作するが、4K解像度ではMicrosoft Azure AIを有効にしてもやや厳しそうだ。WQHDでも快適にプレイできるはずだが、「AERO 15 OLED」のディスプレイがWQHDに対応していない点に注意していただきたい。
同じく「3DMark Version 2.16.7117 64」から、レイトレーシング性能を計測する「Port Royal」の結果だ。
他のテストと同様、NVIDIA GeForce RTX 3070の平均値よりも低いスコアが出ている。このテストではMicrosoft Azure AIを試していないものの、有効にすれば多少は改善されるだろう。スコアは高くはないが、最近のゲームなら画質をやや落としてDLSSを有効にすれば平均60FPSあたりでレイトレーシング対応タイトルを楽しめる性能だ。