エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.959
2021.02.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」から、レイトレーシングの性能をチェックする「Port Royal」の結果を確認していこう。
AMD製GPUでは初めてレイトレーシングに対応したRadeon RX 6000シリーズ。第2世代となるNVIDIA GeForce RTX 30シリーズに比べるとやや低調ながら、フレームレートは約42fps、スコアは9,000ポイントを優に上回り、テスト中の動画もなめらかに再生可能。WQHD解像度までなら、レイトレーシングを有効にしても多くのゲームが快適に動作することだろう。また「Rage Mode」の効果を確認すると、もともとオーバークロックが施されているためか約1%と微増に留まる。
「Port Royal」より純粋なレイトレーシング性能を計測できるという「DirectX Raytracing」の結果も確認をしておこう。
「Port Royal」から35%近くフレームレートが低下し、純粋なレイトレーシング性能についてはNVIDIA GeForce RTX 30シリーズに一日の長があるようだ。とは言え、こちらもテスト中の映像に目立ったコマ落ちなどはなく、解像度や多少の画質調整で多くのゲームが快適に動作するだろう。なお「Rage Mode」を有効にすると約2%スコアが上昇し、GPUの負荷が大きいほど効果が高いようだ。
次により一般的なラスタライズ性能を確認するため、APIにDirectX 12を使用する「Time Spy」のスコアをチェックしていこう。プリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方で計測を行った。
「Time Spy」のスコアは約16,700ポイント、フレームレートはGraphics test1で約120fps、Graphics test2でも100fpsを超えるスコア。「Estimated game performance」(Battlefield V/1440p Ultra)も「165+FPS」の判定で、WQHD解像度ではやや負荷が軽すぎる印象だ。
また「Time Spy Extreme」でもスコアは8,600ポイント超え。フレームレートはGraphics test1で約57fpsをマークし、AMD GPUでもようやく4K解像度で60fps以上のフレームレートを狙うことができるようになったのは大きい。なお「Rage Mode」の効果は「DirectX Raytracing feature test」とほぼ同じ約2%だった。
「3DMark」ベンチマークのラストは、APIにDirect X11を使用する「Fire Strike」のスコアを確認しておこう。プリセットはこちらも「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類全てで計測を行っている。
Radeon RX 6000シリーズはDirectX 11を得意としていることもあり、最も高負荷な4K解像度の「Fire Strike Ultra」でも約13,000ポイント、フルHD解像度「Fire Strike」では約38,000ポイントで、現行のグラフィックスカードの中では最高クラスのパフォーマンスを発揮する。ただし、GPUへの負荷が軽いためか、「Rage Mode」の効果はいずれも1%未満とわずかだった。