エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.966
2021.02.23 更新
文:藤田 忠/撮影:松枝 清顕
冷却の要でカード厚の大半を占めることになる大型ヒートシンク。クーラーカバーや基板の固定部にもなっている補助プレートは、熱伝達の役目も担っている |
続いては、そのパフォーマンス向上とともに熱量がアップしている新世代GPUを、余裕を持って冷却できる冷却システムを詳細にチェックしていこう。
基板よりも大きなヒートシンクを備えている「TUF-RX6800-O16G-GAMING」。その冷却性能には大いに期待が持てる |
冷却と静音の両方に影響するファンは、実測直径で約95mmになるAxial-techファンを3基搭載。ASUS製グラフィックスカードの多くで採用されている冷却ファンだが、「TUF-RX6800-O16G-GAMING」が備える最新世代では、インペラを増やしつつサイドのバリアリングをスリム化。横方向からの吸気を増やし、風の流れをより効率化している。
中央のセンターファンは両サイドと構造が異なり、より数の多い13枚のインペラとフルハイトのバリアリングを装備。優れた風の直進性により静圧を高め、多くの風を直接ヒートシンクに吹きつける仕様だ。さらに両サイドと逆向きに回転することで、気流の乱れを減少させて冷却効率を高めている。
3基のAxial-techファンは、カバーではなくヒートシンクに固定 |
最新世代のAxial-techファンでは、インペラ数を増加 | センターファンのインペラ数は13枚と、前世代のAxial-techファンから4枚増えている |
両サイドファンも従来から増強された11枚のインペラを備えている | Axial-techファンの特徴である外周を覆うバリアリング。センターファンはこれまでと同じく、フルハイト形状になっている |
両サイドファンのスリム化したバリアリングは、サイド方向からの吸気をアップさせる狙いがある | センターファンは、両サイドファンとは逆に回転。気流の乱れを抑えることで、冷却効果を高めている |
精密機械加工された凹凸ないGPU接触面は冷却効果をアップさせている |
2.9スロットのフットプリントの大部分を占めるヒートシンクには、GPUコアの接触面を研磨し、肉眼では見えないレベルで滑らかさを向上させ、熱伝導率をアップさせる「MaxContact Technology」を採用。さらにGPUコアとメモリが接触する大型ヒートスプレッダーを採用することで、効率よく熱をヒートパイプ、ヒートシンクに伝達するようになっている。
300mmを超える重厚なヒートシンク。各部から発せられる熱をしっかりと放熱だ | 大型ヒートスプレッダーを採用。GPUコアとメモリの熱を効率よく伝達する |
電源回路部は、ヒートシンクやメタル製の補助プレートと接触するようになっている |
独自の「Super Alloy Power II」に準拠する高品質なパーツを採用する |
冷却システムの次は基板をチェックしていこう。基板には、「TUF Gaming」ならではの軍用レベルのコンデンサをはじめ、放熱効果に優れ、コイル鳴きを極限まで抑えたチョークコイルの「SAP II Choke」や、電力供給量を増やしつつ発熱を抑えた「SAP II DrMOS」など、「Super Alloy Power II」に準拠した高品質パーツを採用。電源回路は8+3フェーズで構成されている。メモリはSamsung製GDDR6で16GBを搭載している。
基板中央にGPUコアのRadeon RX 6800を配置し、周りにGDDR6メモリを8枚搭載している | GPUコア裏面にはセラミックコンデンサがビッシリと並んでいる |
メモリは、容量2GB、16GbpsのSamsung製GDDR6「K4ZAF325BM-HC16」を8枚搭載する | 軍用レベルの高耐久なコンデンサを採用 |
基板後部のGPUコア用の電源回路。「Super Alloy Power II」準拠の高品質パーツで構成されている | 基板後部にはPWMコントローラの「IR35217」を実装 |
基板前部のメモリ用3フェーズ電源回路 | メモリ電圧をコントロールする「NCP81022N」は、メモリ用電源回路の上に実装されていた |
補助電源コネクタは8pin+8pinになる | 基板後部のファン制御とLED制御コネクタ |