エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.970
2021.03.04 更新
文:/撮影・pepe
テスト環境は、クリエイター向けのデスクトップPC、MSI「Creator P100X 10SD-239JP」を同時に借り受けて使用している |
今回検証に使用した「Creator P100X 10SD-239JP」の構成はIntel Z490マザーボードに、第10世代のIntel Core i7-10700K、GeForce RTX 2070 SUPER、メインメモリは32GBを搭載、10bit出力に対応するハイエンドモデルだ。
ここからは実際に電源を入れて「Creator PS321URV」の映りを確認していこう。液晶パネルは色再現性に優れ、視野角による変化が少ないIPS方式で駆動、水平垂直ともに178°と十分な視野角を持ち、32型の大きさでありながら、画面中央と周辺で差を抑えた均一な画質を実現する。
スイベルで35°まで回転させればコントラストの低下は確認できるが、この状態で使うことはまず無いだろう。色域はDCI-P3を約95%、Adobe RGBを89%、sRGBを98%カバーしており、最大表示色は約10億7,300万色、最大輝度400 cd/㎡、静的コントラスト1,000:1のスペックを誇る。
加えて工場出荷前のキャリブレーションにより、平均色差ΔE<2の色精度を実現している。筆者が普段使用している液晶と比べてもその差は明らかで、「Creator PS321URV」とキャリブレーションされていない液晶を比較すると、まったく別の物を見ているかのような色彩に圧倒されるほどだ。
遮光フードとは、その名の通り照明や環境光を遮りパネルへの映り込みや影響を防ぐためのもの。例えば演色性の低い照明下での作業や、太陽光が差し込むよう環境においても、パネルが持つ本来の色再現性を確保することができる。
三つ折りタイプで、内側にマグネットが内蔵されている |
遮光フードは、三つ折りの一体型でそれぞれの縁にマグネットを内蔵しており、液晶の側面に近づけると簡単に吸着させることができる。内側は反射を抑えた毛足の短いフェルト地になっている。
ツールレスで簡単に取り付けることができる |
遮光フードの構造上、取り付けると前面にツバがせり出すため窮屈な印象を受けやすいが、32型の大型液晶ということもあり、24型や27型の製品と比べると圧迫感はさほど感じない。
ソリッドな構造のため、キャリブレーションツールを通す穴はない |
精度の高いキャリブレーションも、経年劣化による色精度の低下は避けられない。そのためユーザー自身で色校正を行えるように、サードパーティのキャリブレーションツールが存在するが、USBケーブルで接続されたツールを液晶の上部から垂らして校正を行う方法が一般的なため、キャリブレーションをする際は、遮光フードを一度取り外す必要がある。