エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.974
2021.03.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
まずは定番のレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R15」で、CPUの純粋なパフォーマンスをチェックしていこう。
シングルコアテストについては、Ryzen Threadripper PRO 3975Wの204cbに対して、Ryzen 9 5950Xは267cbをマークし、シングルスレッド性能については最新の「Zen 3」アーキテクチャが優秀だ。ただし、同じ「Zen 2」を採用するRyzen 9 3950XやRyzen 9 3900XTとの差は最大でも約6%に留まり、HEDT CPUながらシングルスレッド処理もかなり高速だ。
またマルチコアテストの結果を確認すると、メインストリーム向け最上位のRyzen 9 5950Xを約66%上回る圧巻のスコア。同じ32コア/64スレッドのRyzen Threadripper 2990WXと比較しても約4割も高く、マルチスレッド処理は非常に得意としていることがわかる。
続いて、同じくMAXONが提供しているレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R20」の結果も確認していこう。
マルチコアテストについては「CINEBENCH R15」と全く同じ傾向で、Ryzen 9 5950Xを約66%上回るスコアを記録。一方、シングルコアテストは、依然として「Zen 3」アーキテクチャが有利だが、その差は約27%へと若干縮まっている。
「CINEBENCH」系のラストは、メニーコアCPUへの最適化が最も進んでいる「CINEBENCH R23」の結果を確認していこう。
マルチコアテストについては、Ryzen 9 5950Xとの差は約66%で、これまでのベンチマークとほぼ同じ。ここまでの結果を見る限り、Ryzen Threadripper PROシリーズの本分であるマルチスレッド処理については、期待通りの性能を発揮する。またシングルコアテストの差は約24%で、処理が重くなるにつれてシングルスレッド性能の差は縮まる傾向があるようだ。