エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.974
2021.03.12 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹
CPU系ベンチマークのラストは「SiSoftware Sandra 20/20」の「プロセッサの性能」と「マルチメディア処理」のスコアを確認していこう。
まずプロセッサの性能を確認すると「Dhrystone Aggregated-int」では約44%、「Whestone浮動小数点/倍精度」ではこれまでで最大となる約74%もの差がついた。さらにマルチメディア処理でも「集計マルチメディア整数」で約60%、「集計マルチメディア浮動小数点」では約69%上回り、Ryzen Threadripper PROシリーズはマルチスレッド処理の中でも特に浮動小数点に関連する作業を得意としているようだ。
続いて、Ryzen Threadripper PROシリーズのウリでもある8チャネルメモリの性能を「Sandra 20/20」のメモリ関連テストでチェックしていこう。
メモリチャネルがリニアにスコアに影響するメモリ帯域。Ryzen 9 5950Xでは整数・浮動小数点とも約32GB/secなのに対して、Ryzen Threadripper PRO 3975WXでは約3.9倍となる120GB/secを超えるスコアをマーク。間違いなく現行最高峰のメモリ帯域を実現しており、大量のデータを同時に扱うことになる高解像度レンダリングや、大規模データ解析を行う場合でもメモリのボトルネックを最小限に抑えることができる。
またメモリレイテンシについてもRyzen 9 5950Xより約20%少なく、Ryzen Threadripper PROシリーズではメモリ周りの最適化がかなり進んでいるようだ。
Ryzen Threadripper PROシリーズをはじめ、HEDT CPUが得意なマルチスレッドやメモリ関連のテストが一段落したところで、次に比較的苦手としているシングルスレッド処理性能が重要になる「PCMark 10 Extended」のスコアを確認していこう。
Ryzen 9 5950Xの「Zen 3」アーキテクチャでは、特にゲームへの最適化が進んでいることもあり、「Gaming」テストは約6割に留まる。ただし、「Digital Content Creation」では約8割、「Essentials」や「Productivity」では約9割と健闘しており、オフィスワークやWebブラウジングなど一般的な作業でも、最新メインストリーム向けCPUに匹敵するパフォーマンスが期待できる。