エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.975
2021.03.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
AMD「Radeon RX 6700 XT」 市場想定売価479ドル(2021年3月17日発売※グローバル市場向け) 製品情報(AMD) |
今回の主役である「Radeon RX 6700 XT」は、AMDの最新アーキテクチャ「RDNA 2」を採用するアッパーミドル向けGPUだ。昨年11月に発売が開始された「Radeon RX 6800」の下位に位置付けられる製品で、最近急速に普及しているWQHD解像度のゲーミング液晶ディスプレイをメインターゲットにしている。
Radeon RX 6900/6800XT/6800の「Navi 21」に比べると、「Navi 22」ではGPUダイの規模は約6割に縮小されている |
コアアーキテクチャや製造プロセスに変更はないものの、GPUコアにはダイサイズ336mm2、トランジスタ数172億の新型コア「Navi 22」を採用。Radeon RX 6800と比較するとコンピュートユニット数は60基→40基に、ストリームプロセッサ数は3,840基→2,560基へと、いずれも30%以上削減。さらにメモリバス幅も256bit→192bitになり、スペック上からも上位モデルとはターゲットにしている解像度が異なるのは明らかだ。
一方、動作クロックはゲームクロックが最高2,424MHz、ブーストクロックが最高2,581MHzに設定され、コンシューマ向けGPUとしては間違いなく現行最高峰。またアッパーミドルながら12GBの大容量メモリを搭載しているのも、最新「AAAタイトル」をプレイする場合には大きなメリットになる。
メモリバス幅は192bitだが、「Infinity Cache」を搭載したことで帯域幅は256bitの2.5倍に達する | 最新「AAAタイトル」では、WQHD解像度でもビデオメモリ8GBでは不足する可能性があるとのこと |
さらに「RDNA 2」の目玉機能でもあるメモリ用L3キャッシュ「Infinity Cache」や、CPUから全てのビデオメモリにアクセスできる「Smart Access Memory」を搭載することで、メインターゲットであるWQHD解像度では、最高画質でも高リフレッシュレート環境を実現することができるという。
Radeon RX VEGA 56やRadeon RX 5700 XTとの比較。Radeon RX 6700 XTなら、重量級のゲームもWQHD解像度で快適に動作する | WQHD解像度ではGeForce RTX 3070を上回るゲームもあるとのこと |
その他、メモリスピードは16Gbps、メモリ種別はGDDR6、メモリ帯域は384GB/sec、「Infinity Cache」容量は96MB。またTBP(Total Board Power)はRadeon RX 6800から20W低下して230Wに、補助電源コネクタは8pinx2から8+6pinへと変更され、電源ユニットへの負荷や発熱なども低減している。