エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.976
2021.03.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
「WATTTERA 1000W」の内部はどのような構造になっているのだろうか?ワランティシールを破ってネジを取り外し、フレームを分解する |
さて、続いては「WATTTERA 1000W」を分解してその内部構造に迫っていこう。近年の電源ユニットは、一部を除き内部でケーブルを使用しないケーブルレス設計が主流になっており、それは「WATTTERA」シリーズも同様だ。
コストパフォーマンス重視の製品とあって、部品数は決して多くはなく、奥行き160mmと余裕のある筐体内はスッキリとした印象。ただし一次側の平滑回路をはじめ、主要部に日本メーカー製の105℃コンデンサを採用するなど、部材にはこだわりが光る。稼働率99.43%のDC-DC変換基板も備え、極めて高効率・低発熱で動作する仕様。適度にクリアランスのとれたレイアウトは、冷却面でも有利に働くだろう。
シンプルでスッキリとした印象を受ける内部構造。基本的に入力部以外にはケーブルを使用しないケーブルレス設計で、部品数はそれほど多くないように見える |
EMIフィルターを備えた入力部。高周波ノイズの原因になる突入電流などを取り除き、システムの安定性を支える |
奥側に見えるのが、交流を直流に変換する一次側の整流回路。MOSFETの発熱が大きいため、ヒートシンクに直接貼り付けられている | 最大力率99.9%を実現するアクティブPFC回路。コイルと後方のMOSFETで構成、流れる電流量を制御して力率を向上させる |
一次側の平滑回路には、420V/105℃に対応する日本ケミコン製の大容量コンデンサが実装されていた |
直流電力をパルス状の高周波に変換するスイッチング回路。制御部と分割され、それぞれ発熱が大きいため、MOSFETはヒートシンクに貼り付けられている |
中央に実装されているトランス。サブトランスを従えたツイントランス仕様で、1基構成に比べ高効率かつ低発熱の動作を可能にしている |
端の方に実装されていた、スタンバイ用のサブトランス | すぐ近くには、ユニエレックス(UNICON)製のコンデンサが実装されていた |
二次側の整流回路から平滑回路にかけて。ユニエレックスおよび日本ケミコン製コンデンサのほか、台湾トップシェアのTeapo Electronic製コンデンサも採用されていた |
稼働率99.43%を誇るDC-DC変換基板。12Vから5Vおよび3.3Vを生成、電圧変動を最小化しつつ高効率な動作を可能にしている |
ドーターボード裏面には、ANPEC Electronics製PWMコントローラおよび各種保護回路が実装されていた | 最奥に実装されている、モジュラーコネクタ用のケーブルマネジメント基板 |
冷却ファンは、Yate Loon Electronics製の「D14BH-12」が組み込まれていた。主なスペックは、最大回転数2,800rpm、最大風量140.0CFM、最大騒音48.5dBAなど |