エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.977
2021.03.27 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
内部構造を確認するために筐体を開封する。筐体を固定するネジは、メタル製ファングリルの固定ネジと共用だった |
「PH-P1000GC」の筐体を開封し、内部構造をチェックする。まず最初に驚いたのは、あまりにも余裕を残した隙間だらけの筐体だ。奥行きは170mmでPLATINUM認証のデュアルシステム電源「Revolt X」シリーズと共通のため、ひょっとすると筐体設計を共有しているのかもしれない。
そしてさらに意外にだったのは、あまり一般的な電源ユニットと違いがない、シンプルかつ整った内部設計。昨今トレンドになっているケーブルレス設計が採用されている点は同様としても、電源連結機能という珍しいギミックを備えている割には、分かりやすい“異物”が存在しない。他電源接続用のコネクタは、案外スルーポートのようなシンプルな仕様になっているのだろうか。
意外にもシンプルな「Revolt PRO」の内部構造。トレンドのケーブルレス設計が採用されているのはもちろん、目立って珍しい機構は見当たらない |
交流電流の入り口である入力部。突入電流や高周波ノイズを抑制するEMC・ECIフィルターを備えている。背面に実装された「Hybrid Mode」用のスイッチは、2pinケーブルで基板上に接続されていた |
交流を直流に変換する一次側の整流回路。MOSFETは発熱が大きいことから、ヒートシンクに直接貼り付ける形で実装されている | 力率を改善するアクティブPFC回路のコイル。共同開発モデルとあって、製造を担当したSeasonicのロゴが確認できる |
一次側の平滑回路には、400V/105℃対応のルビコン製大容量コンデンサが実装されていた |
直流電力をパルス状の高周波に変換するスイッチング回路。MOSFETは発熱が大きいため、ヒートシンクにサーマルパッド越しに装着。付近にはHongfa製リレースイッチも確認できる | コンデンサを挟んで実装されている、スイッチング回路の制御部。やはりこちらもMOSFETがヒートシンクに直接貼り付けられているのが分かる |
中央スペースのやや壁寄りに実装されていたメイントランス。入力電圧を各パーツが実際に使用する電圧に近い電力に変換する部位で、すぐ近くにサブトランスを従えている |
端の方に実装されていた、スタンバイ用のサブトランス。すぐ近くには日本ケミコン製の105℃コンデンサも確認できる |
二次側の整流回路と平滑回路には、高速応答の要求に耐える固体コンデンサが実装されている。その一方で、耐熱性に比べ高耐圧は求められないことから、容量の小さな105℃コンデンサ(日本ケミコン製)が実装されていた |
12Vから5Vと3.3Vを生成するDC-DC変換基板。従来型より高効率な動作が可能になる昨今トレンドの設計で、独立基板には高熱と高速応答に耐える固体コンデンサが実装されている |
筐体内部の最奥に実装されたケーブルマネジメント基板。PCケース内側に向いたモジュラーコネクタが接続されている |
冷却ファンは、流体軸受採用のHonghua製135mmファン「HA13525H12F-Z」が実装されていた。スペック上の最大回転数は2,300rpmだが、回転数はシステム負荷に応じて制御されている |
ファンはトップフレームに直接マウント。3pinのケーブルで内部の基板に接続されていた |