エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.979
2021.04.01 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
出荷時に装着されているサイドパネルは左右対称で、円形パンチング加工が施されている。内部容積18.25リットルの狭い空間だけに、最も面積が広く確保できるサイドパネルの通気性は、システムの安定動作やパーツの寿命にも影響するだろう。さくら色の塗装はフロントパネル同様。パウダーコーティングにより見た目と耐久性を両立し、右下にはさくら柄がアクセントに描かれている。
シャーシへの固定は下部は溝に掛け、上部は左右2つのジュラコンキャッチ式を採用。工具いらずで簡単に取り外しができる。ちなみに付属ネジ(J:サイドパネル固定用ネジ)を使えば、両サイドパネルを確実にロックする事も可能。また、円形パンチング加工の内側には大判防塵フィルタを装備。せっかくのさくら色を邪魔しないグレー色のマグネット着脱式フィルタが採用されている。
「NR200P Sakura」には強化ガラス製サイドパネルがバンドルされている。別箱に収められた強化ガラス製サイドパネルは、枠部分がさくら色で、強化ガラス部は桜吹雪をモチーフにしたプリントが施されている。よく見るとフロントパネルのデザインが左側面に連動する仕掛けで、内部構成パーツに光りモノを使えば、ライトアップされた”夜桜”のような雰囲気が味わえる。
付属品扱いだけに別箱に収められた強化ガラス製サイドパネル。いわゆる茶箱のサイズは幅約415mm、高さ約330mmで、製品本体の側面に沿うように収納されている |
片側の通気性が犠牲になるが、トレードオフとしては価値が高いとみるユーザーは多いはず。気分によって付け替えるもよしだ。なお厚さは4mmで、外形寸法は幅約340mm、高さ約265mm。枠部分を除くガラス面は幅約300mm、高さ約210mmだった。
完成イメージを見ると、かなりの高い確率で付け替えたくなる4mm厚の強化ガラス製サイドパネル装着例 |
次に背面を観察してみよう。最も特徴的なのは、さくら色の拡張スロット金具だろう。内部構造セッションで解説するが、色へのこだわりもさることながら、水平3本+垂直2本の拡張スロットレイアウトは、「NR200P Sakura」を選択する理由になり得るポイント。さらにこの配置から、ハイエンド志向のニーズを見越した小型筐体という性格も読み取れる。
その他、左上には3pin AC電源インレット、その下にある開口部はマザーボードのバックパネルに位置する。
ボトム面はシャーシの底面になるため、ホワイトに塗装されている。四隅にはプラスチック製の台座(インシュレーター)が装着され、設置面には滑り止め用ゴムを装着。脚高は約20mmで、設置面との空間を作り出す。ユニークなのは台座が交換できること。製品サイトによれば、設計段階で候補に挙がったバリエーションの3Dプリンタ用データが配布されており、さまざまな形状やフィラメント交換による好みのカラーチョイスが楽しめる。利用者は限定されるはずだが、試みとしてはなかなか面白い。
なお底面の大部分はマグネット着脱式防塵フィルタが備わり、シャーシ側にはスリットタイプの通気孔が設けられていた。追って紹介するが、ここにはラジエターや冷却ファンが増設できる。
四隅の台座(インシュレーター)は交換が可能。デフォルトはシャーシ同色の白だ | マグネット固定の防塵フィルタ。サイズは実測で長さ約285mm、幅約125mmだった |
ボトムパネルは背面1本のネジとジュラコンキャッチで固定されており、着脱が可能。内部容積が限られた小型筐体だけに組み込み時やメンテナンス時には確実に重宝する |
四隅の台座(インシュレーター)は、ボトムパネルを外した状態で裏面ネジがあらわになる |