エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.979
2021.04.01 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
次にオールインワン型水冷ユニットを搭載してみよう。搭載テストには、Cooler Master「MasterLiquid ML240L ARGB V2 WHITE EDITION」(型番:MLW-D24M-A18PW-RW)を用意した。240mmサイズラジエターを搭載するホワイトバージョンで、国内販売も近く予定されているという。なお各サイズは、ラジエターが幅119.6mm、長さ277mm、厚さ27.2mm、ウォーターブロックが幅79.9mm、縦76mm、高さ47.1mmとされる。
既に触れている通り、CPUクーラーの高さ制限はソリッドパネル時で155mm、さくら柄強化ガラス製サイドパネル時で153mm、グラフィックスカード垂直マウント時で76mmと、構成によって性格を変えてくる。どうしても高さに余裕がない小型筐体の場合、オールインワン型水冷ユニットに頼らざるを得ない。本来冷却機器が強いCooler Masterでさえ、搭載可能な空冷クーラーのラインナップも限られており、多くのユーザーはオールインワン型水冷ユニットを選択することになるだろう。
240mmサイズラジエターが設置できるのは2箇所。まずは左サイドブラケットに搭載を試みた。悩ましいのはラジエターに接続されるウォーターチューブの向きだろう。搭載テストでは後方からウォーターブロック最短の距離に設置。理由は左サイドブラケットにラジエターを設置した場合、グラフィックスカードの水平マウントに限定され、垂直拡張スロット後方の空きスペースが利用できるようになる。さらに電源ユニットブラケットの天板とラジエター固定ファンの間隔は実測で約35mm程度と狭く、ストレージとウォーターチューブの共存が厳しくなる。なお参考までに、ラジエター搭載の冷却ファン(後方)と、ポンプ一体型ウォーターブロックまでの距離は実測で約45mmだった。
上方向から見るとうまく収められているが、ウォーターチューブの張り出しが強いため、結束バンド等による固定処理をしなければトップパネルに接触。付属の120mm冷却ファンが搭載できなくなる点には注意が必要だ。とかく小型筐体の場合、あちこちにトレードオフのポイントが存在する。これをどう解決していくかが悩ましいところだ。
次に2箇所目となるボトムパネルにラジエターを設置してみよう。今度はグラフィックスカードの垂直マウントと、さくら柄の強化ガラス製サイドパネル使用を想定。これに合わせ、ウォーターチューブのレイアウトを変更し、後方に空きスペースが積極的に確保できるようにしている。
グラフィックスカード搭載前ながらサイドパネルを装着してみたところ、内部空間にずいぶんと余裕がある事が分かるだろう。ケーブル類も右サイドパネル側に集約させることで、だいぶスッキリとした印象に変わった。3段の拡張スロットはラジエターが占有する事になるが、さくら柄の強化ガラス製サイドパネルから、垂直マウントのグラフィックスカードを魅せるPCを構築するなら、自ずとこのスタイルになるだろう。