エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.984
2021.04.10 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
Antec国内正規代理店の株式会社リンクスインターナショナル(本社:東京都千代田区)より届けられた評価サンプルを使い、実機による外観デザインチェックから検証を開始しよう。全身ブラック塗装の「P7 NEO」は、フロントパネルがABS樹脂製、ボディがスチール製とそれぞれ異なり、外観からもその違いを見て取ることができる。Antecらしいシンプルなデザインは、現在の自作PC市場からどのような評価を得るだろう。ユーザー目線でじっくりと眺めていこう。
冒頭触れた通り、フロントパネル素材はABS樹脂製。スチールと違い、曲線などの自由な成形を得意とするため、カーブや凹凸を織り交ぜたデザインのフロントパネルには広く使用されている。表面は手垢や汚れが付着しにくい処理(Smooth Surface)が施され、形状は左右の傾斜したエッジからフラットな前面までを立体的に成形。中央下部にはAntecのロゴをあしらうのみのシンプルなデザインに仕上げられている。
なおスチール製シャーシには、左右各4本のピンにより固定されており、下部を握って引き剥がせば取り外しができる。あくまで評価サンプルの個体での印象だが、ピン自体はそれほどきついものではなかった。ただし上部の各種スイッチ&アクセスポートのケーブルが接続されているため、力任せに引き剥がすと、そのままケーブルまで断線しかねない。ここは慎重に作業したい。
内部もブラックのABS樹脂製フロントパネル。予め上部の基板に接続されているケーブルは4本で、引き剥がす際には結束バンド等を外しておくといいだろう |
フロントトップの傾斜面には、スイッチおよびアクセスポート類がレイアウトされている。中央の円形ボタンはPowerスイッチで、外周はPowerLEDが内蔵されている。その左手にある小さな円形ボタンはResetスイッチで、中央右手にUSB3.0ポートx2口、左手にHD Audio(ヘッドホン/マイク)ポートが内蔵されている。一見シンプルだが、周辺機器の接続方法がBluetooth等のワイヤレスが一般的になり、ひと頃のようにずらっと複数のポートが並ぶ必要が無くなっている。箱という外観スタイルは普遍だが、細部で進化や時代の流行を知る事ができる。
スイッチ&アクセスポート類は着脱式フロントパネルの一部分だけに、着脱時に基板から伸びるケーブルが邪魔になる。見映えも悪いだけに、できればシャーシ側に設置するスタイルにすべきだろう。ちなみに既存「P7 SILENT」からのアップデートはなかった |
トップパネルは解説することが見当たらないほどシンプルな、完全フラットデザインが採用されている。多くのPCケースの場合、冷却ファンおよびラジエター増設スペースとして活用されるケースが多い中、敢えてこれを採用しない。ここまでの印象で「P7 NEO」は前作同様、最もユーザーが多いであろう一般的な常用(いわゆる普段使い)から装飾不要なビジネスユースまで、幅広いターゲットに向けられた筐体である事が分かる。