電源ユニットを搭載してみる

電源ユニットは「NeoECO GOLD」シリーズに属するAntec「NE650 GOLD」を用意した。奥行き140mmのコンパクト設計で、120mm自動回転数制御ファンを搭載。主要なコネクタケーブルは直結、さらに必要に応じてコネクタケーブルを追加できるセミモジュラー仕様だ。

さて、搭載後の周辺を確認すると、同じ底面を分け合う2.5/3.5インチ共用シャドウベイユニットまでは、実測で約90mmほどの空きスペースができた。数値上では及第点レベルだが、フルモジュラー式電源ユニットの場合、コネクタケーブルの抜き差しはやや厳しい。またケーブルの堅さによっては、あまったケーブルを束ねておく場所としても十分なスペースではなかった。近頃のミドルタワーPCケースとしては平均点だが、奥行き150mm以上の電源ユニットを使う場合は、これ以上タイトになる事は覚悟しておこう。

オールインワン型水冷ユニットを搭載してみる

CPUクーラーには、オールインワン型水冷ユニットAntec「Neptune240」を使用した。240mmサイズラジエターは、フロントパネル裏手以外には搭載できないため、まずは120mm標準搭載ファン2基を取り外す。ひとつ覚えておきたいのが、2基あるうちの下段の冷却ファンを取り外す場合、2.5/3.5インチ共用シャドウベイユニットを取り外さなければならない。最下部のテーパーネジ2本に対し、ドライバーが使えない事が理由だが、ユーザビリティの観点からもう少し手間の掛からない設計に改良できないものだろうか。

丸で囲んだ部分が下部2本のテーパーネジ。2.5/3.5インチ共用シャドウベイユニットの隙間からドライバーを挿し込む事はできず、結局底面からインチネジ4本を取り外す事になってしまった。多くの自作派が240mmサイズラジエターを搭載するであろう事を考えれば、要改善ポイントと言わざるを得ない

いずれにせよ、フロントパネル裏に240mmサイズ以上のラジエターを固定する場合、2.5/3.5インチ共用シャドウベイユニットの位置が出荷時のままでは物理的干渉を起こしてしまい、移動しなければならない。底面から4本のインチネジで固定されているシャドウベイユニットは、後方寄りに50mm移動できるようネジ穴が用意されている。長尺ラジエターを搭載する場合、どうしてもボトムカバーを突き抜けるため、セットバックする必要があるというワケだ。

オールインワン型水冷ユニットAntec「Neptune240」のラジエターは、フロントパネル部のみに設置可能。120mmサイズ以上のラジエター（140/240/280mm）を使う場合は、必ずこのスタイルになる

”いろいろな事”が起きつつ、落ちついて作業すれば30分程度で作業は完了。「Neptune240」のPTFEチューブ長（348mm）も十分で、ウォーターヘッドまでストレスなくレイアウトができている。

設置作業はスムーズに完了。なおフロント固定のラジエターと、ボトムカバートップの開口部は、実測で約45mmの空きスペースが残されている。一般的な25mm厚の冷却ファンをフロントパネル内側に設置しても問題ない事が分かる

とは言うものの、2.5/3.5インチシャドウベイユニットを後方50mm移動させると、電源ユニットの有効スペースが割を食う。奥行き140mmの「NE650 GOLD」の空きスペースは、約90mmから約40mmに短縮。つまり、フロント部に240mmサイズ（以上）のラジエターを搭載し、かつ2.5/3.5インチ共用シャドウベイを使うなら、電源ユニットはショートサイズを選ぶべきだ。