エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.987
2021.04.17 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「Hyper M.2」は、PCI-Express4.0(x16)スロットの上側にあるため、グラフィックスカード搭載時も隠れてしまうことはなく、効率的な放熱が可能 |
第11世代Intel Coreプロセッサと組み合わせることで、PCI-Express4.0に対応する「Z590 Taichi」。さらにすべてのM.2スロットには、サーマルスロットリングによる速度低下を抑えるため、大型のヒートシンク「Full Coverage M.2 Heatsink」が標準装備されている。そこで、今回は「Hyper M.2」スロットに、CFD「PG4VNZ」シリーズの1TBを搭載して、その冷却性能を確認してみることにした。なお負荷テストは「CrystalDiskMark 8.0.1」をデータサイズ64GiBに設定し、3回連続で実施。その温度と転送速度の推移を「HWiNFO64」を使い計測した。
ヒートシンクなしの「CrystalDiskMark 8.0.1」の結果 | ヒートシンク装着時の「CrystalDiskMark 8.0.1」の結果 |
ヒートシンクなしの状態では、テスト開始とともに一気に温度が70℃まで上昇。その後はサーマルスロットリング機能によって転送速度を1,500MB/sec前後まで落とすことで温度上昇を防いでいることがわかる。一方、ヒートシンク搭載時は温度上昇が緩やかになり、最高温度も60℃前後までしか上がらなかった。当然サーマルスロットリングと思われる症状もなく、SSDの持つ性能を最大限に発揮することができるようになる。
ヒートシンクなし:アイドル時のサーモグラフィ | ヒートシンクなし:高負荷時のサーモグラフィ |
ヒートシンク装着時:アイドル時のサーモグラフィ | ヒートシンク装着時:高負荷時のサーモグラフィ |
またサーモグラフィの結果を確認するとヒートシンクなしの状態では、アイドル時でも最も温度が高いところは60℃超え、高負荷時は100℃に迫る温度を記録し、完全に冷却性能が不足している。PCI-Express4.0(x4)接続のNVMe M.2 SSDを使用する場合は、専用のヒートシンクは必須条件になりそうだ。
Thunderbolt 4は2ポート搭載。デイジーチェーン接続にも対応するため多数の周辺機器を一度に扱うことができる |
帯域幅40GbpsのThunderbolt 4や、20GbpsのUSB3.2 Gen.2×2といった高速な最新インターフェイスを搭載するASRock「Z590 Taichi」なら、外部ストレージでも高速な転送速度が期待できる。そこでThunderbolt 3とUSB3.2 Gen.2×2対応のNVMe M.2 SSDケースを用意して、そのパフォーマンスをチェックしてみることにした。なお内蔵SSDには「PG3VNF」シリーズの1TBモデルを使用している。
USB3.2 Gen.2×2はフロントType-C用ピンヘッダのため変換ケーブルを使用。なおUSB3.2 Gen.2×2対応製品が販売されていないため、手持ちのUSB3.2 Gen.1用を使用したが問題なく動作した |
Thunderbolt 3ケース採用時のベンチマーク結果 |
USB3.2 Gen.2×2 Type-Cケース採用時のベンチマーク結果 | USB3.2 Gen.2×2 Type-CケースをThunderboltポートに接続した場合のベンチマーク結果 |
Thunderbolt 3ケース使用時のパフォーマンスは書込が1,482MB/sec、読込は2,744MB/secに達し、PCI-Express3.0(x4)接続のNVMe SSDと比較しても遜色のないスコア。高解像度のレンダリングデータや動画データなどを持ち運ぶユーザーには魅力的なアイテムと言えるだろう。
またUSB3.2 Gen.2×2ケース使用時のパフォーマンスは読込・書込とも約2,000MB/secで、こちらも非常に高速。価格もThunderbolt 3の約半額となる5,000円前後から購入できるため、コストパフォーマンスを重視するなら有望な選択肢になる。なおUSB3.2 Gen.2×2ケースをThunderbolt 4ポートに接続した場合、USB3.2 Gen.2接続で動作するようだ。