エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.990
2021.04.24 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影・検証:岸本 仁
Core i7-11700K 実勢売価税込59,000円前後(2021年3月30日発売) 製品情報(Intel) Core i5-11400 実勢売価税込26,000円前後(2021年3月30日発売) 製品情報(Intel) |
Intelのデスクトップ向けCPUとしては、実に6年ぶりに刷新された新アーキテクチャ「Cypress Cove」を採用する「第11世代Intel Coreプロセッサ」。従来から最大19%のIPC向上が謳われており、実際Core i9-11900Kの詳細検証では、Core i9-10900Kを上回り、Ryzen 5000シリーズに迫るシングルスレッド性能を発揮した。
ただし、マルチスレッド性能については、コア数が10コア/20スレッドから8コア/16スレッドに削減されたため軒並み低下。それでいてCore i9-10900Kはもちろん、よりコア数の多いRyzen 9 5900X(在庫があればだが)よりも高価な価格設定ということもあり、フラッグシップであるCore i9-11900Kは厳しい戦いを強いられている。
第11世代Intel Core i9では、コア数削減のデメリットを解消するため最新ブースト機能「Adaptive Boost Technology」が追加されているが、その差を埋めることはできなかった |
一方、今回検証をする「Core i7-11700K」や「Core i5-11400」については、先代と同等のコア数が維持されており、Core i9シリーズのようにマルチスレッド性能が逆転する心配はない。
Core i9-11900Kと同じ8コア/16スレッドのCore i7-11700K。ブースト機能が一部省略されており、最高クロックは300MHz低くなっている |
さらにCore i7-11700Kについては、最新の「Adaptive Boost Technology」をはじめ、「Turbo Boost Max 3.0」や「Thermal Velocity Boost」といったブースト機能の対応と、Gear 1動作時の最高メモリクロックに違いはあるものの、コア数は8コア/16スレッド、キャッシュ容量も16MBでCore i9-11900Kと全く同じ。パフォーマンス次第ではハイエンドPCのベースとして有望な選択肢になりそうだ。
6コア/12スレッドのCore i5-11400。TDP65Wの無印モデルということもあり、クロックも控えめだ |
もうひとつの主役であるCore i5-11400は、Core i3以下のCPUが用意されていない「第11世代Intel Coreプロセッサ」の中では最廉価となるミドルレンジCPU。コア数は6コア/12スレッド、キャッシュは12MBで、無印モデルということもありTDPは65Wとかなり控えめ。その分最高クロックも4.40GHzに抑えられているが、実際のパフォーマンスについては、次項からのテストセッションで明らかにしていこう。