エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.992
2021.04.28 更新
文:藤田 忠/撮影:松枝 清顕
12+1フェーズの電源回路には、大型の拡張ヒートシンクが実装されている |
製品概要を把握したところで、「Z590 AORUS ELITE AX」の詳細を画像でチェックしていこう。メニーコア、高クロックCPUの安定した動作に重要な電源回路は、ハイサイド/ローサイドMOSFETとドライバICを1パッケージに集積した、60A対応DrMOSやプレミアムチョーク、コンデンサ、Intersil製デジタルPWMコントローラ「ISL69269」を採用する12+1フェーズ構成。
そのうえCPU負荷とともに発熱量が増加する電源回路を効率的に冷却するため、表面積を増やしつつ、効率的にエアーが通る2ブロックの大型ヒートシンクを搭載。さらにリア側はリアインターフェイスカバーと一体デザインにすることで、さらに表面積を稼ぎ、放熱性を高めている。
2ブロック構造のヒートシンクや、リアインターフェイスカバーを外した状態 | 60A対応のDrMOSを使用した12+1フェーズの電源回路を搭載している |
トップ側電源回路。60A DrMOSはAlpha&OMEGA「BKU0」を実装していた | リア側電源回路も同じで、7個のAlpha&OMEGA「BKU0」や、プレミアムチョークで構成されている |
デジタルPWMコントローラIntersil「ISL69269」を確認できた | SoC用の1フェーズにはReneas「RAA229001」を実装 |
EPS12V電源コネクタは8pin+4pin。LGA1200最上位CPUの性能を問題なく引き出せるだろう | リアインターフェイスカバーと一体型デザインになっている、リア側ヒートシンク |
電源回路部の拡張ヒートシンクには、表面積を増やす凹凸構造や、5W/mKの高熱伝導率サーマルパッドを採用し、放熱性を高めている | リアインターフェイスカバーとI/Oパネル。ヒートシンクを除いたカバー部は、従来と同じ樹脂製になっている |
「Z590 AORUS ELITE AX」が搭載するチップセットは、第11世代Intel Coreプロセッサに合わせて投入されたLGA1200向け最上位のIntel Z590だ。第11世代Intel Coreプロセッサを組み合わせることで、1レーンあたりの帯域幅がPCI-Express3.0の8GT/sから16GT/sになるPCI-Express4.0に対応。帯域幅が増えたことで、CPUとチップセットの接続インターフェイスがこれまでの2倍となるDMI3.0×8に向上するほか、20GbpsのUSB3.2 Gen2×2や新たに追加される6GHz帯に対応するIntel Wi-Fi6Eに対応する。そのほかこれまで通り「K」付きCPUのオーバークロックや、PCI-Expressレーン数の分割機能などが備わっている。
Intel Z590チップセット。PCI-Expressレーン数は24レーンで、チップセットヒートシンクにはLEDイルミネーション機能を備え、AORUSロゴが発光する |
メモリスロットはこれまでと同様デュアルチャネルに対応し、最大で32GB×4本の128GBまでの増設が可能。メモリ信号経路のシールドや、最適化でメモリークロックは前世代チップセットのハイエンドモデルを上回る5,400MHz動作をサポートしている。また、ハイエンドモデルと同じく、メタルプレートで補強された「Ultra Durable Memory Armor」を採用しているのもトピックだ。
デュアルチャンネル対応のDDR4×4本を備える。最大容量は128GBで、メモリスロットはメタルプレートで補強された「Ultra Durable Memory Armor」が採用されている |