エルミタ的「編集部で使ってみた」
2021.05.17 更新
文:撮影・岸本仁
ベンチマークソフトだけでなく、実際にファイルを転送した際の速度もチェックしていこう。使用が想定されるファイルとして単一の動画ファイル(90分のmp4、4GB)と2,000枚ほどのRAWデータ(約50GB)を用意。デスクトップから「X6」にドラッグ&ドロップでコピーした。こちらのテストでもUSB3.2 Gen.2 Type-C接続時とUSB3.0接続時で比較している。
動画ファイルをコピーした際の速度(USB3.2 Gen.2 Type-C接続) | RAWデータをコピーした際の速度(USB3.2 Gen.2 Type-C接続) |
動画ファイルをコピーした際の速度(USB3.0接続) | RAWデータをコピーした際の速度(USB3.0接続) |
単一の動画ファイルではUSB3.2 Gen.2 Type-Cの600MB/secに対して、USB3.0接続では300MB/secで、非常に大きな差がついた。一方、複数のRAWデータでは150MB/secと120MB/secで差は縮まり、30MB/secとなった。もちろん、僅か30MB/secの差でもファイル数が増えるほどかかる時間に差は出る。やはり、可能であればUSB3.2 Gen.2 Type-Cでの接続をしたいところだ。
実際に検証してみると、最大の特徴であるUSB3.2 Gen.2 Type-C利用時の高速性能はもちろん、USB3.0接続時のスピードもかなり速い。接続するPCを問わずその性能を発揮するCrucial「X6」は大容量の動画、画像データの置き場所としてはまさに最高のポータブルストレージデバイスと言える。
自作派であれば、自前でNVMe M.2 SSDケースを使った高速ストレージを作るという選択肢がある。しかし、手のひらサイズに収まるコンパクト感と見栄えのする外観デザイン、多少の衝撃ではビクともしない頑丈な筺体は「X6」シリーズならではのアドバンテージだろう。
外付けSSDと言えばPlayStation 5/4用の外付けストレージとしても有用な製品ジャンルだが、個人的にはゲームを快適にプレイするという願望をかなえるためにハードより高額な6万円オーバーの出費をするのは正直躊躇する。一方で、最新のノートPCとデスクトップPCを使い、普段から大容量の動画、画像データを取り扱う。いわゆるクリエイターと呼ばれる人には是非とも使ってもらいたい製品だ。