エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1000
2021.05.21 更新
文:池西 樹(検証)/文・撮影:松枝 清顕(解説)
最終セッションである冷却性能テストを行う前に、組み込み手順を確認しておく。今回はAMD Socket AM4マザーボードをベースに解説しよう。基本的なところはIntel系と大きく違わないが、Socket AM4の場合、マザーボードに装着済みのバックプレートを流用できるため、パーツの使用点数も少なく、作業もスムーズに進行できるメリットがある。LGA 20xx系も台座を流用するため作業は楽だが、LGA 115x系と1200だけは、付属のバックプレートを使用する事になり、ひと手間分だけ僅かな労力を必要とする。
マザーボードに装着済みのプラスチック製リテンションを取り外す | 四隅の穴に「NM-APS4 grey plastic spacers」を載せる |
向きに注意しながら「NM-AMB7 mounting bars」を「NM-ALS1 long screws」で固定すれば台座は完成 | 冷却ファンを外した状態のヒートシンクに、装着済みのコイルスプリング付きクロスバーで台座にネジ留め |
左右交互にテンションを掛けて行き、しっかりと固定できている事を確認 |
ファン取り付けクリップで冷却ファンを固定すれば、搭載は完了。ゆっくり作業しても10分程度で完了 |
「100% RAM compatibility」を謳い、スリムタイプヒートシンクを採用するとあって、隣接するメモリスロットのクリアランスは良好だ。
マザーボードはMSI「MPG X570 GAMING PRO CARBON WIFI」を使用し、4本のメモリスロットにはヒートスプレッダ付きのAntec Memory「5」シリーズを挿した。真横からの画像を見て分かるように、テストメモリの高さを提示するまでもなく、メモリスロットの上空に妨げるものが無い事が分かる。
ハイエンド志向のCPUが冷却できるものの、メモリは2枚でガマンといったちぐはぐな事にはならず、両者が共存できる事は、サイドフロー型CPUクーラーの最低限。つまり、スリムタイプヒートシンクを採用するこのスタイルこそ、現在における“空冷クーラーの完成形”となるだろう。