エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1005
2021.06.04 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
TDP280WのRyzen Threadripper PROの安定動作を可能にする電源回路。サーバーグレードの高品質パーツを採用する一方で、ヒートシンクなどは非常にシンプル。他メーカーのコンシューマ向け製品のような派手さはなく、まさに質実剛健といった印象 |
最高64コア/128スレッドのメニーコア構成や、8チャネルメモリ、128レーンのPCI-Express4.0など圧倒的なコア数や拡張性を誇るRyzen Threadripper PRO。その一方、TDPも280Wと非常に高く設定されており、当然ながら電源回路への負担は大きくなる。
そこで「M12SWA-TF」では、ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバICを統合した「Dr.MOS」による15フェーズ回路を搭載。さらにフェライトコアチョークや、タンタルコンデンサにもサーバーグレードの高品質なものを採用することで、長時間高負荷状態が続く動画エンコードや、3DCGのレンダリング処理を行う場合でも安定動作を可能にしている。
CPUソケットはAMD sWRX8に変更されているが、取り付け方法はRyzen ThreadripperシリーズやEPYCシリーズと全く同じ |
CPUソケット右側の12フェーズ回路。実測で幅約80mm(固定部除く)、厚さ約7mm、高さ約25mmの薄型ヒートシンクは、ハイエンドマザーボードでは珍しい2本のプッシュピンで固定 |
サーバーグレードの「Dr.MOS」とフェライトコアチョークを搭載。なおフェライトコアチョーク間には風が抜けるよう隙間が設けられていた |
CPUソケット左側の3フェーズ回路にも、実測で幅約25mm(固定部除く)、厚さ約7mm、高さ約25mmの小型ヒートシンクがプッシュピンで固定 |
基板裏面には、メタル製の頑強なバックプレートと、フェーズ数と同じ計15基のタンタルコンデンサを搭載 |
EPS 8pinのCPU補助電源コネクタは3基搭載 |
「M12SWA-TF」に実装されているチップセットはRyzen Threadripper PRO専用設計のAMD WRX80だ。CPUと同じくPCI-Express4.0に対応し、U.2やSATA3.0(6Gbps)のストレージインターフェイスや、ピンヘッダのUSBポート、オーディオチップなどが接続されている。
チップセットの冷却には、40mm口径ファンを備えた小型ヒートシンクを搭載。こちらも固定方式はプッシュピンで、徹底して飾り気のないデザインだ |
Ryzen Threadripper PRO専用チップセットAMD WRX80。外観は第3世代Ryzen Threadripper向けのAMD TRX40にそっくりだ |