エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1006
2021.06.07 更新
文:/撮影・pepe
いよいよ電源を入れて「VG259QR」の映りを確認していく。液晶パネルは水平垂直共に178°の視野角をもつIPSパネルで、角度を付けた状態でも視認性が高く画質の変化が少ないことが特徴だ。
角度をつけるとコントラストや輝度の低下を確認できるが、24.5型で比較的近い距離で使うシーンが多いことを踏まえれば十分な画質と視野角を持っていると言える。
OSDの操作は上下左右と押し込みに対応するジョイスティックを使う。ジョイスティックの下側には「キャンセル」「GamePlus」「GameVisual」「電源」ボタンが並び、それぞれスイッチの形状を互い違いにすることで、指を乗せたときに直感的な操作をアシストする。
「GamePlus」はゲーミング向けの便利機能として、「練習用のクロスヘア」、「カウントダウンタイマー」、「FPSカウンター」、「ディスプレイアライメント」をオーバーレイさせることができる。またはじめの3つの機能は表示させた後にジョイスティックを操作することで任意の位置に移動させることもできる。
「Shadow Boost」は明るい部分の露出を抑え、暗い部分を明るく明瞭にする機能で、ゲームや動画観賞時の「暗くて分かりにくい」といった状況を改善することができる。補正レベルは3段階で白飛びや白浮きを抑え視認性を高めている。
「VG259QR」はFHD(1,920×1,080ドット)解像度だが、リフレッシュレート165Hzともなれば相応のマシン性能が必要になる。今回は「VG259QR」のゲーミング性能を引き出せるように、Intel Z490マザーボードに、第10世代のIntel Core i7-10700K、GeForce RTX 2070 SUPER、メインメモリは32GB(16GB×2)を搭載するシステムを使用している。
ここではリフレッシュレートの違いを体感するために、レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート60Hz/120Hz/144Hz/165Hzでそれぞれの違いを比較する。テストではディスプレイ同期を有効化するとともに、デジタルスチルカメラのスーパースローモーションにより画面を直接撮影している。
リフレッシュレートが高くなるにつれてコマ送り感が減少。滑らかで連続した動きになり、さらには画面書き換え回数の多さから残像感も抑えられていることが分かる。わずか21Hzの差ではあるが、144Hzと165Hzの比較では後者の方が明らかに滑らかであることは一目瞭然だ。
最後は動きの速い画面でスミアやモーションブラーを除去、より鮮明な画質を実現するASUS独自の「Extreme Low Motion Blur」の機能を確認していこう。この機能はバックライトの強制点滅により黒フレームを挿入し、フレーム更新時の残像を低減させる機能だ。レースゲーム「Assetto Corsa」のリプレイを使用し、リフレッシュレート165Hzで固定し、「ELMB」のONとOFFを比較する。
バックライトの強制点滅により、画面全体の輝度が下がるため肉眼ではやや暗く感じる。黒フレームの挿入により画面更新時の残像が見えなくなるため、画質がシャープになっているのが分かる。ただし輝度低下を補うために点灯直後はやや白飛びを確認できるだろう。また「ELMB」はディスプレイ同期とは排他利用となるため注意が必要だ。
旧モデルから上積みされた21Hz分のリフレッシュレートは、最新のCPUやGPUの劇的な性能向上で、DirectX 11世代や競技向けのゲームタイトルで高FPSを安定供給できるようになったゲーミングPCへの適応とも言えるだろう。またそういったタイトルでは24.5型のFHD(1,920×1,080ドット)解像度は扱いやすく、これまで同様のOSDメニューや機能、使いやすさをそのままに正当進化を果たした。
最大のポイントが165Hz駆動へと進化した高速リフレッシュレートと、人気コンソールであるPS5への正式対応であることは冒頭述べた通り。従来コンソールマシンは、リビング等に据え置かれた液晶TVへ接続されることが多かったが、最新のPS5ではゲーミングPCをも凌駕する高フレームレートを実現。そのため、高速リフレッシュレートに対応した液晶への接続が望ましい。今後は、ゲーミングPCとPS5を同じ液晶に接続して楽しむという柔軟なスタイルも可能になり、先を見据えたマルチユースのゲーミング液晶として「VG259QR」は先代モデルに続き人気となるのは間違いなさそうだ。
協力:ASUS JAPAN株式会社