エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1018
2021.07.07 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは、ワンクリックで性能をアップすることができるASUSオリジナルの自動チューニング機能「Auto Tuning」の効果を試してみることにした。なおベンチマークソフトには「CINEBENCH R15/20/23」の3種類を使用している。
「AI Suite 3」に実装されている自動オーバークロック機能「Auto Tuning」を使えば、ワンクリックで性能を引き上げることができる |
定格のマルチスレッド処理時は全コア4.60GHz、シングルスレッド処理時は最高5.00GHzで動作 |
「Auto Tuning」を有効にすると、シングルスレッド処理時は最高5.00GHzで変わらないものの、マルチスレッド処理時は全コア4.80GHzまでクロックが上昇した |
「Auto Tuning」を有効にしたところ、全コアアクティブ時のクロックは4.60GHzから4.80GHzへと200MHz向上した。一方、1コアアクティブ時のクロックは5.00GHzで変わらず、シングルスレッド処理では大きな違いはなさそうだ。
最高クロック自体は変わらないため、やはりシングルコアテストについては定格とほぼ同じ。一方、マルチコアテストはすべてのベンチマークで約4%スコアが上昇。第11世代Intel Coreプロセッサの最上位であるCore i9-11900Kの定格駆動を上回るパフォーマンスを発揮しており、ワンクリックの簡易チューニングながら確実に効果はある。特に動画のエンコードや、大規模なレンダリングなど、長時間の作業を行う場合には有効な手段になるだろう。
また消費電力は定格から約65W増加しているものの、堅牢な電源回路と優れた冷却システムにより、高負荷テスト中でも不安定な挙動を示すことは一度もなかった。
ASUS Intel Z590シリーズの中では、エントリークラスに位置づけられる「TUF GAMING Z590-PLUS WIFI」。ワイヤレス機能がWi-Fi 6EではなくWi-Fi 6に留まる他、NVIDIA SLIにも非対応になるなど、ハイエンドモデルと比べるとたしかにコストカットの跡は見える。
とは言え「TUF GAMING」シリーズおなじみの堅牢設計はこのモデルでも健在。USB3.2 Gen.2×2や2.5ギガビットLANなど高速インターフェイスも充実しており、よほど特殊な使い方をしない限り、ハイエンドモデルとの違いを感じることはないはずだ。
第11世代Intel Coreプロセッサは、これまでと違い最上位のCore i9-11900K/KFと、その下のCore i7-11700K/KFでコア/スレッド数は全く同じ。機能面の違いもわずかなことから、よりお買い得なCore i7-11700K/KFを敢えて選択する(した)人もいることだろう。そんなコストパフォーマンスを重視するユーザーにこそ、「TUF GAMING Z590-PLUS WIFI」はオススメしたい製品だ。
協力:ASUS JAPAN株式会社