エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1020
2021.07.12 更新
文:池西 樹(検証)/文・撮影:松枝 清顕(解説)
ここからはNoctua「NH-P1」の冷却性能をチェックしていこう。まずはCPU compatibility listによると、ファンレス状態ではベースクロックをわずかに下回る可能性があるという“制限付き保証”になるIntelの最新フラッグシップCore i9-11900Kからだ。今回はAdaptive Boost以外のブースト機能を有効にした状態と、全て無効にした状態で計測を実施。ストレステストは「OCCT 8.2.1:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」の2種類。CPU温度の測定は「HWiNFO64 v7.04」を使用し、増設ファン「NF-A12x25LS-PWM」を搭載した状態でも測定している。
連続した負荷ではややベースクロックを下回る可能性もあるというCore i9-11900K。今回はブースト機能をすべてカットした状態でも計測を実施した |
CPU温度やCPUクロックの取得には「HWiNFO64 v7.04」を使用した |
ファンレス動作時は、「OCCT 8.2.1」「CINEBENCH R23」ともテスト開始から緩やかに温度が上昇していき、約10分後にはCPUの許容する最高温度である100℃まで上昇。その後は動作クロックを3,600MHz前後まで落とすことで、CPU温度が上がりすぎるのを調整していることがわかる。正直常用するのは躊躇われる温度ではあるが、定格クロックである3,500MHzを下回ることはなかった。
また「NF-A12x25LS-PWM」搭載時(以降ファン搭載時)は「OCCT 8.2.1」が77℃前後、「CINEBENCH R23」でも80℃前後で頭打ち。動作クロックも4,000~4,100MHzを維持することができており、無理なく運用することができるようになる。
なおファンの回転数はいずれのベンチマークともほぼ最高回転となる1,000rpm前後まで上昇。ただしファンのノイズは暗騒音(32.4dBA)+2.1dBAの34.5dBAで、バラック状態でもファンの音は全く気にならなかった。
ブースト機能を無効にすると、消費電力は約90Wも低下。これによりファンレス動作時でも最高温度は79℃、ファン搭載時は65℃に留まる。動作クロックもベースクロックの3,500MHzを常に維持することができており、「NH-P1」でCore i9-11900Kを運用するならブースト機能を無効化した状態がオススメだ。なおファンの回転数は最高でも650rpmを超えることはなく、ファンのノイズは33.9dBAだった。