エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1029
2021.07.28 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次にオールインワン型水冷ユニットを搭載してみたい。「MasterBox 540」にはフロントとトップに最大360mmサイズのラジエターが搭載できる。最もベーシックな120mmサイズラジエターならリアが特等席だ。今回は検証にCooler Master「MasterLiquid ML360 Illusion」(型番:MLX-D36M-A18P2-R1)を用意。トランスルーセントドーム採用の水冷ヘッドを筆頭に、24個のアドレサブルRGB LEDを搭載した120mm冷却ファン「MasterFan MF120 Halo」を搭載し、冷却性能面では第3世代デュアルチャンバーポンプの採用や、表面積を拡大したラジエターなど、多数のトピックを引っ提げ、国内市場では7月9日より販売がスタートしている。
「MasterLiquid ML360 Illusion」自体の詳細な搭載方法は別の機会に譲るとして、「MasterBox 540」はトップパネルがネジ2本で簡単に取り外しできるため、長尺ラジエターの搭載を簡単に行う事ができる。イマドキのイルミネーション付き冷却ファンを搭載すると、電源ケーブルとARGBケーブルをそれぞれ処理する必要があり、組み込みながらの配線はなかなかスムーズにはいかない。一方でトップパネルごと外れると、まずはラジエターと冷却ファンを固定し、結束バンド等を用いてケーブルの下処理を行う事ができるのだ。着脱式トップパネル最大の恩恵は、間違いなくこのタイミングであろう。
トップパネルが外せるメリットから、ラジエターはフロントよりもトップパネルに設置する事をオススメしたい |
取り外せないトップパネルへの設置に比べ、作業時間は大幅に短縮できたことは間違いない。オールインワン型水冷ユニットを導入する際は、この利便性をぜひ体感して欲しい。なおフロントパネルに設置する場合、フロント内蔵イルミネーションが内蔵されているだけにシャーシ外側にスペースは無く、おのずと内側に設置する事になる。内部への張り出しは性能面でさほど気にならないが、多少窮屈に見えるきらいがある。
グラフィックスカードには、GIGABYTE「AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G」を使った。強力な「Max-Coveredクーリング」は115mmファン2基と100mmファン1基で構成し、側面には「LED EDGE VIEW」を装備。物理的に使用するスロットは2本だが、実際には高さ70mmの3スロット占有ボディ。長さは319mmにおよぶハイエンドだが、公称410mmまでの搭載スペースがあるだけに、まったく問題としないだろう。
拡張スロット2段を使い、ブラケットをインチネジで固定。長さ319mmのグラフィックスカードに対し、フロントパネルまでの空きスペースは冷却ファンおよびラジエター非搭載状態で実測約90mmを残した。合計409mmは公称値と1mm違いで誤差の範囲内。どうやら拡張カード有効スペースの数値は、実数を元に表記されているようだ。なおフロント部にラジエターを設置する場合は、冷却ファンと共に厚さを考慮した、有効スペース範囲内のグラフィックスカードを選択しよう。