エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1032
2021.08.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
統合型3DCGレンダリングソフトウェア「Blender」のベンチマーク結果も確認しておこう。バージョンは「2.93.1」で、テストデータは6種類全てを選択している。
処理時間が短い「bmw27」では大きな差が出ていないが、それ以外のテストでは、いずれもRyzen 5000Gが先代より10%以上処理が早く完了している。特に「victor」では先代モデルから20%以上も処理時間が短縮され、長時間のレンダリングでは「Zen 3」アーキテクチャのメリットが大きくなるようだ。
統合ベンチマークである「SiSoftware Sandra 20/21」でも、CPUの性能をチェックしていこう。なおプリセットは「プロセッサの性能」と「マルチメディア処理」を選択している。
「Dhrystone Aggregated-int」は、Ryzen 7 5700GとRyzen 7 PRO 4750Gで約7%、Ryzen 5 5600GとRyzen 5 PRO 4650Gで約3%とこれまでの結果に比べると差が小さく、アーキテクチャの違いがあまりスコアに影響しないようだ。ただし、「Whestone浮動小数点/倍精度」ではいずれも約10%スコアが向上しており、「Zen 3」アーキテクチャのメリットが出ている。
「プロセッサの性能」では、これまでのベンチマークに比べて差が小さかったRyzen 5000Gシリーズ。一方「マルチメディア処理」では、「集計マルチメディア整数」「集計マルチメディア浮動小数点」とも先代から20%以上もパフォーマンスが向上。特にRyzen 5 5600Gは2コアの差を埋め、Ryzen 7 PRO 4750Gに匹敵するスコアを記録している。
続いて、実際のアプリケーションに近い性能を計測できる「PCMark 10」の結果を確認していこう。特にシングルスレッド性能の影響が大きいベンチマークとして知られているが、Ryzen 5000Gシリーズではどの程度パフォーマンスが向上しているのだろうか。
GPUコアクロックが高いこともあり「Gaming」こそ、Ryzen 7 PRO 4750GがRyzen 7 5700Gをわずかに上回るものの、それ以外は順当なスコア。特にCPUの性能が重要になる「Essentials」「Productivity」「Digital Content Creation」については、Ryzen 5000Gがいずれも優勢で、総合スコアもRyzen 7 5700Gはもちろん、Ryzen 5 5600GでもRyzen 7 PRO 4750Gを上回る。