エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1033
2021.08.06 更新
文:撮影:松枝 清顕(解説)/ 検証セッション:池西 樹
ここからは「AS500 PLUS WH」を実際のPCに組み込み、その冷却性能をチェックしていこう。まずはIntelの最新フラッグシップCore i9-11900Kからだ。ストレステストは「OCCT 9.0.2:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を、CPU温度およびファン回転数の取得は「HWiNFO64 v7.07」を用意し、Adaptive Boostを有効にした状態でも計測を行った。
第11世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルCore i9-11900K。今回は定格に加え、最新ブースト機能「Adaptive Boost」を有効にした状態でも検証を行った |
CPUクロックや温度、ファン回転数の取得には「HWiNFO64 v7.07」を使用した |
ヒートシンクのトップパネル部分にはアドレサブルRGB LEDを内蔵。マザーボードや付属のコントローラでイルミネーションを制御できる |
定格動作時の温度は「OCCT 9.0.2」がおおむね80℃前後、より負荷の高い「CINEBENCH R23」でも85℃で頭打ち。動作クロックはいずれもTurbo Boost 2.0の最大値である4.70GHzで全くブレなく安定しており、Core i9-11900Kの性能を引き出すことができている。
また第11世代Intel Coreプロセッサで追加された新ブースト機能「Adaptive Boost」を有効にした場合は、いずれも温度はCPUが許容する最大温度100℃まで上昇。動作クロックも「OCCT 9.0.2」では4.90~5.10GHzの間で細かく変動、「CINEBENCH R23」ではほぼ4.90GHzで推移しており、冷却性能が完全に飽和しているようだ。
ただし、これは「AS500 PLUS WH」に限ったことではなく、これまでチェックしてきたCPUクーラーは水冷モデルも含めほぼ同様の結果。「AS500 PLUS WH」の冷却性能が不足しているというよりは、「Adaptive Boost」の調整がピーキーすぎると考えたほうがいいだろう。
定格での「OCCT 9.0.2」動作時のファン回転数は1,050~1,100rpm、ノイズレベルも37.3dBAで、動作中の温度はバラック状態にも関わらず全く気にならなかった。またそれ以外の条件ではいずれもほぼ最高回転に近い1,100rpm台の後半まで回転数が上昇。ノイズレベルは40dBAを超え、定格の「OCCT 9.0.2」から風切り音は確実に増加している。ただし、ファンのサイズが大きくノイズが低音のため、数値ほどうるさく感じることはなかった。