エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1036
2021.08.10 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
まず先頭は、3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」のレイトレーシングテスト「Port Royal」から。「Radeon RX 6600 XT」のもつ、DirectX Raytracing(DXR)におけるレイトレーシング性能をチェックしよう。
もとよりRadeon RX 6000シリーズは、あまりレイトレーシング性能を重視していないということもあり、(それほどレイトレーシング性能が高くない)Radeon RX 6700 XTと比べても2割以上の落ち込み。テスト環境がWQHD解像度(2,560×1,440ドット)ということもあり、フレームレートも20fps程度と厳しい水準だ。レイトレーシングを活用するのであれば、せめて解像度の調整は必須だろう。
続いては同じく「3DMark」から、よりレイトレーシングに特化したテストである「DirectX Raytracing feature test」を実行する。シーン全体をレイトレーシングのみでレンダリングするテストを通じて、ハードウェアの純粋なレイトレーシング性能を計測してみよう。
フレームレートはわずか10fps強であり、上位GPUのRadeon RX 6700 XTとともに厳しい結果になった。テスト中の映像もコマ落ちが目につくレベルで、レンダリング解像度がWQHDであるということを差し引いても、「Radeon RX 6600 XT」には手に余るテストであることが分かる。もっとも設計コンセプトが高フレームレートを志向するユーザーを重視していることを考えれば、レイトレーシング性能の不利はある程度無視できるかもしれない。
レイトレーシング系のテストに続き、「Radeon RX 6600 XT」にとって本番とも言える一般的なラスタライズ手法によるレンダリング性能を検証していこう。テストはDirectX 12に対応する「3DMark」の「Time Spy」で、プリセットは「Time Spy」および「Time Spy Extreme」の両方を使用して計測を行った。
ちなみに「Time Spy」は無印テストがWQHD解像度、「Time Spy Extreme」が4K解像度のため、そもそもフルHD想定の「Radeon RX 6600 XT」にとってはヘビーなテストだ。それでも無印テストは10,000ポイントに迫るスコアで、フレームレートも60fps前後と健闘。4Kの「Time Spy Extreme」でも30fps前後であり、タイトル次第ではフルHD以上の解像度でもプレイできるであろうパフォーマンスだ。
なお、レイトレーシング系のテストよりRadeon RX 6700 XTとの差は縮まり、スコアの開きは2割弱程度。そしてカードの「OC」と「SILENT」モードの比較では、常に「OC」が上回っているものの、目立って大きなスコア差はつかなかった。
引き続き「3DMark」から、Direct X11対応テストの「Fire Strike」を実行する。プリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類すべてを選択して計測を行った。
本来「Radeon RX 6600 XT」がターゲットにしているフルHDの無印テストでは、スコアが25,300ポイントでGraphics test 1のフレームレートが130fps以上という、かなり優秀な結果だった。過去に検証した競合のGeForce RTX 3060を上回るスコアで、“究極のフルHDゲーミング”という看板は伊達ではない。
WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」でもテスト中のフレームレートが70fps前後に達するなど、なかなかに健闘。しかし解像度が大きくなるごとにRadeon RX 6700 XTとの差は広がっており、やはり「Radeon RX 6600 XT」がフルHDを主戦場に設定されたGPUであることが分かる。