エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1038
2021.08.14 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
マグネット固定式の大判防塵フィルタに覆われたトップパネル。改めて内部から眺めてみると、ほぼ全面がハニカム状の通気孔である事が分かる。この面には140mmファンが2基、120mmファンなら3基が増設可能。ラジエターは360/280/240/120mmサイズが固定できる。「DF700 FLUX」はフロントに120mmファン3基が標準で装備されているため、多くのユーザーがオールインワン型水冷ユニットのラジエターをこの面にマウントすることになる。
リア部には120mmファンが標準装備されている。横幅にさほど余裕がない筐体だけに、対応ファンは120mmまで。ラジエターも120mmサイズまでのサポートだけに、最もオーソドックスなオールインワン型水冷ユニットを導入するなら、標準120mmファンと換装する事になる。
スリットタイプのネジ穴はストローク約30mm。ラジエター固定時には搭載位置の微調整ができる |
「F-LUX PLATFORM」を特徴付ける重要要素が、ボトムカバー(シュラウド)天板に装着する120mm逆回転ファンだ。天板部分を見ると、ちょうど電源ユニット搭載エリア付近にはハニカム状の通気孔がある。120mmファン2基分のネジ穴が設けられ、ここに付属の120mm逆回転ファンをネジ留めできる。
付属の逆回転ファンは、インペラの”捻る向き”が逆で、通常ファンとは吸排気方向が逆になる。これをボトムカバー上に設置することで、右側面下にあるボトムカバー内部を開放する吸気口より外気を吸い出し、筐体内部にフレッシュなエアを送り続ける事が可能になる。「F-LUX PLATFORM」に基づく考えは、Antecの内部資料によると、PCケース内部の温度低下には大きな役割を果たしているという。
前後2箇所に120mmファン増設用の穴がある。ただし後方は電源ユニットの真上に当たるため、実際には前方のネジ穴を利用するのが一般的だろう |
マザーボードトレイ背面、2.5インチSSD専用ブラケットの左横には「ARGB & PWM FAN HUB CONNECTIONS」が標準装備されている。歴代「FLUX」全てにハブが装着されているが、合計3種類が存在し、このPCケースには「DF502 FLUX」と同じモノが搭載されていた。
基板には、左側に3pinのアドレサブルRGBコネクタ合計6口(内3口は使用済み)、右側に3pinの冷却ファンコネクタ合計6口(内4口は使用済み)を用意。上部にはトップパネルのLEDボタンをアクティブにさせるRGBコネクタが接続され、下部にはマザーボードのARGBコネクタ接続用ケーブル(左)とSATA電源ケーブル(右)がそれぞれ実装されている。
いわば”集中制御基板”で、計6基分のARGBファンの電源供給と光の制御を賄い、マザーボード上のコネクタは最小限の消費で済ませる事で、左側面の強化ガラスからは露出しない、ケーブルマネジメントが構築できるというワケだ。複雑かつ煩雑な配線は既に完了しており、SATA電源コネクタ1本を接続すれば、標準ファンの回転と発光が直ちに動作する。増設にも対応する「ARGB & PWM FAN HUB CONNECTIONS」は、見た目と実用を両立させる要と言えるだろう。