エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1038
2021.08.14 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
最終セッションでは実際に構成パーツを用意し、「DF700 FLUX」ベースのPCを組み込んでみよう。歴代「FLUX」に触れてきただけに、おおよその内部構造や製品独自のクセのようなものは把握している。とは言え、新たな発見があったり、初めて読む読者もいることだろう。ここからはマニュアルや製品資料では分からない部分や、搭載後の周辺クリアランスなど、より深く「DF700 FLUX」を理解していこう。
マザーボードの搭載テストにはATXフォームファクタのGIGABYTE「B550 VISION D」(305x244mm)を用意した。「DF700 FLUX」のマザーボードトレイ部には、あらかじめATX規格用に9本のスタンドオフが装着済み。そこにマザーボードのネジ穴を合わせ、付属のミリネジで基板を固定していく。
搭載手順に特記事項も作業上のコツもなく、作業の妨げになるものもないだけに、軸の長いドライバーも必要としない。なお搭載後の周辺クリアランスは、トップパネルまでが約55mm、フロントパネルまでが約160mmだった。いずれも十分に余裕のある空きスペースが確保できている。つまりこのスペースこそ、組み込み易さの理由とも言えるだろう。
マザーボードを搭載したところで、CPUクーラーの有効スペースを計測する。計測方法は例によって、CPUの上にレーザー距離計を載せ、強化ガラス製サイドパネルの内側までを実測。公称175mmのところ、距離計のデジタル画面は172mmを示した。3mmの差は許容誤差なので特に問題としない。
次にマザーボードトレイ背面から、CPUクーラーカットアウトの様子もチェックしておこう。結果は実測で幅約200mm、高さ約140mmだった。上部にはケーブルマネジメントホール、下部には2台分の2.5インチSSD専用ブラケットがあるため、上下方向はこれ以上確保が難しいが、AMD Socket AM4標準のバックプレートは完全に露出できており、実用上問題はないだろう。
次に電源ユニットを搭載してみよう。搭載テストには2021年6月より国内販売が開始された、80PLUS GOLD認証のAntec「NE850G M」を用意した。コネクタはフルモジュラータイプで、PCケースを選ばない奥行き140mmのショートサイズも魅力のひとつだ。
搭載方法は、右サイドパネル側のボトムカバー開口部より、高さ86mmのATX規格筐体を挿入。背面から4箇所をネジ留めするスタイルだ。電源ユニットマウント部にはクッションゴムが装着済みで、金属同士が擦れて生ずる傷などの心配はない。また公称205mmの有効スペースに対し、140mmの「NE850G M」はある程度前後ストロークの余裕があるため、難なくマウントできた。
Antec「NE850G M」を右側面から挿入し、背面をネジ留め。「NE850G M」には珍しく固定用にハンドスクリューが採用されている |
ボトムカバー天板から電源ユニット搭載部をチェック。逆回転ファンがマウントできる通気孔の半分程度を占有している事が分かる |
奥行き140mmの電源ユニットを搭載すると、シャドウベイユニットまでの空きスペースは実測で約80mmだった |