エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1038
2021.08.14 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
次なる作業は、CPUにオールインワン型水冷ユニットを搭載してみたい。検証に用意したのは2020年1月より国内市場での販売が開始されたAntec「Neptune 240 ARGB」。型番からも分かるように、ラジエターサイズは240mmで、これをトップパネルに装着する。ちなみに120mmサイズラジエターの「Neptune 120 ARGB」も販売されており、これをリアパネルを利用してマウントさせる手もある。
トップパネルは最大360mmサイズラジエターの搭載も可能。長さ287mm、幅121mm、厚さ27mmのいわゆる240mmサイズラジエターは、搭載位置が選べるほど前後に余裕を残してマウントができた。また「Neptune 240 ARGB」のチューブ長は348mmとされ、CPUソケットとトップパネルまでのほどよい距離から、ストレスなく設置できる。
グラフィックスカードには、GIGABYTE「AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G」を用意。3連ファンを搭載し、カード長は319mm、厚さは2スロット超えの70mmとなるハイエンドグラフィックスカードだ。
おさらいすると、グラフィックスカードの有効スペースは405mmと十分に確保できているため、市販のグラフィックスカードはほぼ全てが搭載できるはず。もちろん今回用意した「AORUS GeForce RTX 3080 MASTER 10G」も問題無く搭載が完了。フロントパネルまでの空きスペースは実測で約85mmも確保ができている。
ちなみに逆回転ファンをボトムカバー天板にマウントすると、70mm厚のグラフィックスカードまで約35mmの空きスペースができた。右側面下部から直接グラフィックスカード方向へ外気を送り込むエアフローレイアウトは、PCケース内部全体に限らず、構成パーツの温度上昇を抑える手助けにもなるだろう。
今回で4台目となった「FLUX」シリーズ。型番を並べれば単なるバリエーションモデルのように思えるが、実はそれぞれ独自の個性を上手に表現できている。
エアフロー重視の「DF600 FLUX」は、アクリル製カバー越しにイルミネーションを楽しむ魅せる筐体。Dark Phantomに属する「DP502 FLUX」は5.25インチオープンベイを設け、開閉ドアが付く。「P10 FLUX」はAntecの看板シリーズ”Performance”出身とあって、静音設計でガラリと姿を変えた。そして「DF700 FLUX」は、一連のDF(Darkfleet)シリーズの血統ながら、波打つメッシュ仕様のフロントパネルは美しく、これまでのAntec製品とは異なる完成度の高さが際立つ。
とかく魅せる筐体は、ARGBイルミネーションやLEDストリップ、これに強化ガラスが定番だが、「DF700 FLUX」の”魅せ方”は洗練されたデザインで勝負。たとえARGBファンが消灯しても、十分に魅せるPCケースとしての存在感がある。歴代FLUXで最も美しいと言わしめるゆえんは、その立ち姿だ。
FlowとLuxuryを組み合わせた造語である「FLUX」は、どうやら今後も兄弟が増えていきそうだ。独自のエアフローレイアウトを軸に、今度はどんな筐体を作り上げてくるだろうか。本稿は第5弾につづく。
協力:Antec
株式会社リンクスインターナショナル