エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1040
2021.08.19 更新
文:撮影:松枝 清顕(解説)/ 検証セッション:池西 樹
次にSocket AM4への組み込み手順をご紹介する。先ほども触れたように、まずはバックプレートの下準備から作業がスタート。実際の組み込み完了までの作業時間は、マニュアルを確認しながらでおおよそ10分程度。難易度はそれほど高くはなく、比較的ライトな自作ユーザーでも迷う事無く作業できるだろう。なお工具はプラスドライバー1本で事が済むものの、ヒートシンクをネジ留めする際、積み重なった50枚の放熱フィン分の厚さを上回る、軸の長いドライバーが必要。本稿では150mm長のプラスドライバーを使用している。
「Backplate」のSocket AM4で使用する末端部分に「Nuts」を装着する | 「Nuts」は樹脂パーツ「Side Cap」でワンタッチ装着。なお表裏向きを間違えないよう片側しか固定できないようになっている |
4箇所固定後、中央部に「Loading Block(AMD)」を両面テープで固定すれば下準備は完了 | マザーボード備え付けのリテンションとバックプレートを取り外し、背面から専用バックプレートを仮置きする |
基板側に「Washers」を挟み「Stand-offs(A) Stand-off Nuts 1200 / 115X / AM4」をバックプレートに4箇所ネジ留めする | 次に「Guide Clips」を「Stand-off Nuts」で固定 |
ここまでの作業で台座は完成。メモリスロットおよびバックパネル方向と、リテンションの装着向きは一定なので、間違いようがない。次に本体を取り付けるために、ワイヤークリップと冷却ファンを一旦取り外しておく |
ヒートシンクのみの状態で、受熱ベースプレートに装着済みのネジを台座に固定。左右均一にテンションを掛けながら、しっかりと装着しよう。なおこの前段階でグリスの塗布をお忘れなく |
ヒートシンクの取り付け向きに注意して2箇所をネジ留めすれば、9割方完成。ぐらつきが無いかチェックしておこう |
最後にワイヤークリップを使い、冷却ファンをメモリスロット側に装着。4pin電源ケーブルをマザーボードに接続すれば設置は完了 |
マザーボードへの搭載を試みたところで、メモリスロットクリアランスをチェックしよう。ヒートパイプのレイアウトと、ヒートシンクのサイズ、さらに冷却ファンの固定位置など、全ては隣接するメモリスロットへの干渉を回避するために設計されている。
搭載後のクリアランスを目視すると、冷却ファンとの干渉はなく、背の高いヒートスプレッダ付きオーバークロックメモリとも共存ができそうだ。なお製品資料にはメモリスロットクリアランスに加え、CPU Socket周辺に装着されるヒートシンク高についても触れられている。VRM用ヒートシンクの大型化による、CPUクーラーとの干渉もひとつの懸念材料だ。規格で定められているとは言え、冷却ファンの一部とぶつかるといった心配はあるだろう。ワイヤークリップ式の場合、固定位置を上部へ移動させる事はできるため、万一気になる場合は、放熱フィン数枚分程度をずらして回避する手もある。