エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1040
2021.08.19 更新
文:撮影:松枝 清顕(解説)/ 検証セッション:池西 樹
定格動作であればTDP 125WのCore i9-11900Kに対しても十分な冷却性能を発揮した「CNPS10X PERFORMA BLACK」。続いてコンシューマ向けCPUでは最高峰となるRyzen 9 5950Xでも冷却性能をチェックしていこう。なおストレステストにはCore i9-11900Kと同じ「OCCT 9.0.2:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」を使用している。
16コア/32スレッドのRyzen 9 5950X。メインストリーム向けCPUでは、現行最高峰のパフォーマンスを備えるCPUだが、その性能を引き出すことはできるのだろうか |
「OCCT 9.0.2」では、突発的に温度が上昇することはあるものの、概ね60℃前半でフラットなグラフ。より高負荷な「CINEBENCH R23」でも68℃を超えることはなく、余裕を持って冷却できている。
そして動作クロックもブースト機能によって「OCCT 9.0.2」では、ベースクロックの3.40GHzから1.2GHzアップの4.60GHzまで上昇。「CINEBENCH R23」でも約3.80~4.00GHzで推移しており、CPUの性能を引き出すことができている。
続いてファン回転数を確認すると「OCCT 9.0.2」では1,300rpm前後、「CINEBENCH R23」でも1,350rpm前後までしか上がらなかった。ノイズレベルも40dBA以下にとどまり、十分静音と言っていいレベルだ。
ベンチマークテストのラストは、CCDが1基ながらTDPが105Wに設定され、Ryzen 9 5950Xより熱処理が難しいRyzen 7 5800Xで検証を進めていこう。なおテスト条件はRyzen 9 5950Xと全く同じにしている。
CCDが1基ながらTDPが105Wに設定されているRyzen 7 5800X。ブースト時のクロックも比較的高く、CPUの温度は高くなりがちだ |
「OCCT 9.0.2」ではやはり何度か突発的に温度が上昇するものの、おおむね60℃前半で安定している。一方「CINEBENCH R23」では、CPUの公称最大温度90℃まで上昇している。その分「CINEBENCH R23」の動作クロックも4.50GHzまで引き上げられており、ブースト機能によってCPUの持つ性能を限界近くまで引き出すことができている。
ファン回転数は「OCCT 9.0.2」では1,300rpm前後、ノイズレベルも40dBAを超えることはなく静音性は良好。ただし、「CINEBENCH R23」実行時はフル回転で、ノイズレベルも46.1dBAまで上昇。Core i9-11900Kの「Adaptive Boost」動作時と同様、バラックの状態では風切り音が気になった。