エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1044
2021.08.27 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
本来は厳禁な電源ユニットの分解。どのような設計になっているのか、普段は目にすることのない内部構造を覗いてみよう |
「Ion+ 2 Platinum 860W」を開封してみると、上位グレードの電源ユニットでは定番となったケーブルレス設計の内部構造が姿を現す。先代の「Ion+ Platinum」から基本設計に大幅な変更はないようで、だいぶ似通ったレイアウトが採用されているようだ。コンデンサは一次側・二次側ともに日本メーカー製の105℃品が搭載され、高効率な動作を可能にするDC-DC変換基板も実装。保護回路には、過電圧保護(OVP)、低電圧保護(UVP)、過負荷保護(OPP)、過電流保護(OCP)、過温度保護(OTP)、短絡保護(SCP)の各種保護機能が盛り込まれている。
また、冷却機構にはFDB(Fluid Dynamic Bearing)採用の140mmファン「Dynamic GP-14」を搭載。860Wモデルの「Ion+ 2 Platinum 860W」では、最大回転数2,000rpm、最大風量119.03 CFM、最大静圧2.82 mmH2O、最大騒音36.6 dBAというスペックが与えられている。
入力部を除きケーブルを使用しない、ケーブルレス設計の整った内部構造。レイアウトは「Ion+ Platinum」にかなり似た印象を受ける |
突入電流や高周波ノイズを抑えるインレットフィルター。さすがに高級モデルだけはあり、簡素化されやすい入力部にも手抜きはない |
交流を直流に変換する一次側整流回路。MOSFETは発熱が大きいため、ヒートシンクに貼り付けられている | 力率を改善するアクティブPFC回路のコイル |
脈流をより安定した直流に変換する、一次側の平滑回路。400V/105℃対応のルビコン製コンデンサが実装されている |
直流電力をパルス状の高周波に変換するスイッチング回路。やはり発熱する部位のため、やや幅広のヒートシンクにMOSFETが直接貼り付けられている | コンデンサの手前側には、スイッチング回路の制御部が確認できる |
中央付近に実装されていたLLC回路とそのトランス |
400V以上に達する入力を、実際に使う値に近い電圧に変換するメイントランス |
端の方に実装されているスタンバイ用のサブトランス | パルス状の出力を再び直流出力に変換する二次側の整流回路。MOSFETはやや薄型のヒートシンクに貼り付けられていた |
二次側の平滑回路には日本ケミコン製の105℃コンデンサを採用。高速応答が求められることから、固体コンデンサも実装されている |
12Vから5Vと3.3Vを生成、高効率な動作を可能にするDC-DC変換基板。保護回路用の基板も合わせて実装されている |
最奥に配置されていた、モジュラーコネクタが接続されるケーブルマネジメント基板 | 「Zero RPMモード」用スイッチのケーブルが接続されていた制御基板。2pinのコネクタはホットボンドでしっかり固定されていた |
FDB(Fluid Dynamic Bearing)を採用する「Dynamic」シリーズの140mmファン。860Wモデル「Ion+ 2 Platinum 860W」の最大回転数は2,000rpmだが、普段はシステム負荷に合わせて静音・低回転で動作している |