エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1049
2021.09.06 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
CPUに密着させ、直接熱を吸い出す受熱ベースプレート。素材は熱伝導率に優れる銅製で、腐食を防ぐニッケルメッキ処理が施されている。鏡面仕上げさながらに磨かれた受熱ベースプレートは上下2枚構造。プレート間には、銅製ヒートパイプ6本が隙間無く密着固定されている。
上下2枚で構成された受熱ベースプレート。真横から見ると、φ6mmヒートパイプが密着固定されている事が分かる |
受熱ベースプレートのサイズは、実測で縦42mm、横40mmの長方形で、厚さは約11mm。ヒートパイプはヒートシンクに対し、左右一列にほぼ等間隔でレイアウトされている事が分かる。また受熱ベースプレート上の中央に140mmファンが”横断”している様子も見て取れる。このように底面から「MasterAir MA624 Stealth」を観察すると、CPUクーラーの構造が良く理解できる。
エキゾーストパイプに見立てれば12気筒エンジンさながら。正確な曲げ加工からヒートパイプは受熱ベースから伝導された熱を、放熱フィンへ熱移動させる役割を果たす |
標準では140mmファンが2基装備され、ツインタワー型ヒートシンクに大風量を当て続ける。空冷クーラーの中でも「MasterAir MA624 Stealth」は高エアフロータイプである事は間違いない。
標準装備の140mmファンの型番は「SickleFlow 140」で、PWM対応の4pinコネクタを備える。回転数は650~1,400rpm±5%、風量最大67CFM、騒音値10~27dBA、静圧最大2.25mmH2Oで、フレームは角を丸くしたセミ・ラウンド形状のリブ無し仕様。ヒートシンクへの固定はよくあるワイヤーフレームではなく、専用のプラスチック製パーツで、両サイドから段差部分を引っ掛ける格好。ガタツキなくしっかりと固定できるが、取り外しは比較的容易に行う事ができた。
さらにツインタワー型ヒートシンクの中央部分にも「SickleFlow 140」が内蔵されている。ヒートシンクも冷却ファンのフレームも共にマットブラック。”Stealth”だけあって、存在感を隠すかのように搭載されている様が特徴的だ。とは言え印象は薄いものの、大型ファンブレードの吸排気能力により、シングルファンでの運用も想定されている。設計段階で想定されるパフォーマンスは発揮できないため、あくまでイレギュラーな使い方という見方になるが、一応覚えておこう。
さらにアクセサリーBOXには、120mmファン「SickleFlow 120」を同梱。製品情報サイトには、”メモリスロットクリアランスに合わせて換装できる”と解釈できる解説が記されている。
標準の「SickleFlow 140」を付属の「SickleFlow 120」に換装。搭載には両サイドから段差部分を引っ掛ける専用のプラスチック製パーツを付け替える必要がある |
「SickleFlow 120」のスペックは、回転数650~1,800rpm±5%、騒音値8~27dBA、風量最大62CFM、静圧最大2.5mmH2Oとされる |