エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1049
2021.09.06 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
ここからはCooler Master「MasterAir MA624 Stealth」の冷却性能をチェックしていこう。まずはIntelのメインストリーム向けフラッグシップCore i9-11900Kのテストからだ。ストレステストは「OCCT 9.0.5:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」の2種類を用意し、CPU温度およびファン回転数は「HWiNFO64 v7.06」で計測。冷却ファンは標準装備の140mmファンを使い、今回はツインタワーの大型CPUクーラーということで、新ブースト機能Adaptive Boostを有効にした状態でもテストを実施している。
第11世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルCore i9-11900K。定格とブースト機能「Adaptive Boost」を有効にした状態でテストを実施した |
CPUクロックや温度、ファン回転数の取得には「HWiNFO64 v7.06」を使用した |
定格では「OCCT 9.0.5」実行時はややブレはあるものの85℃前後で推移。消費電力が約10W増える「CINEBENCH R23」実行時は90℃前後でやや温度は高めだが、動作クロックはいずれも全コア4.70GHzまで上昇しており、ブースト機能によりCPUの能力を十分引き出すことができている。
続いて消費電力が跳ね上がる「Adaptive Boost」実行時の結果を確認すると、いずれもCPUが許容する最大温度100℃まで上昇。これまでテストしてきたクーラーと同じく、空冷では「Adaptive Boost」の発熱を冷却するのは難しい。とは言え、クロックはすべてのコアが4.80GHz~4.90GHzで動作しており、定格よりは確実に性能が引き上げられている。
ファン回転数はすべての条件で公称最高値の1,400rpm前後まで上昇した。ただし、騒音値は40dBAを超えることはなく、バラック状態での検証でも周辺ノイズに紛れてしまうほど。さらに140mm径とファンのサイズが大きいこともあり、耳障りな高周波がなく、静音性については極めて優秀だ。