エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1051
2021.09.10 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
続いてスイング式のサイドパネルを開放し、「MAVERIK」の内部構造を観察していく。特別デザインで統一されたパーツの仕様を確認しつつ、どのように組み込まれているのかをチェックしよう。
冒頭に挙げた特別仕様のパーツたちは、どのように「MAVERIK」に収まっているのだろうか |
システムの心臓と言えるCPUには、8コア/16スレッドのハイエンドモデル「Core i7-11700K」を採用。それもただ組み込むだけでなく、長年に渡るマザーボード製造のノウハウを生かした独自のチューニングが施されている。定格ではベースクロック3.6GHz、ブーストクロック5.0GHzという仕様なところ、全コア4.8GHzにオーバークロック。実に33%ものクロックアップを果たしており、特にマルチスレッド系のタスクでその効果が期待できそうだ。
オーバークロック済みの「Core i7-11700K」を搭載する「MAVERIK」。当然定格動作より発熱もアップするところ、360mmラジエターを備えたオールインワン型水冷ユニットで強力に冷却する構成になっている |
そしてそのチューニング済みCPUを冷却するのは、360mmサイズのラジエターを備えたオールインワン型水冷ユニットの「MPG CORELIQUID K360 SP」。「MPG CORELIQUID K360」をベースとした大型水冷ユニットで、ラジエターには一対のファンブレードを結合して静圧を高めたARGB対応の120mmファン「TORX FAN 4.0」を3基搭載している。
際立ってユニークなのは、ポンプ一体型のウォーターブロック。トップには2.4型サイズの大型LCDを搭載し、システム情報や任意の画像、時計などの表示が可能だ。また、最新のAsetek製第7世代ポンプが組み込まれているほか、60mm径の冷却ファン「TORX FAN 3.0」を内蔵。従来の水冷ユニットの弱点とされてきた、周辺コンポーネントの冷却も器用にこなしてくれる。
ラジエターを冷却するのは、高静圧仕様の120mmファン「TORX FAN 4.0」。ARGBに対応し、「MAVERIK」のコンセプトカラーで発光する | ウォーターブロックのトップには大型LCDを搭載、システム情報やアニメーションを表示できる |
ウォーターブロックにはAsetekの第7世代ポンプが一体化、さらに周辺を冷却するための「TORX FAN 3.0」(60mm径)も内蔵されている |
なお、冷却ファンとウォーターブロックのLCDには、標準でコンセプトカラーにマッチするライティングとエフェクトを採用。システム全体の一体感を高めている。もちろんこれらも「Mystic Light」によるカスタマイズが可能だ。
「MAVERIK」に組み込まれているマザーボードは、Intel Z590搭載の「MPG Z590 GAMING EDGE WIFI SP」。市場でも評価の高い「MPG Z590 GAMING EDGE WIFI」をベースとしたハイエンドモデルで、特別カラーのヒートシンクやライティングが採用されている。
「MPG Z590 GAMING EDGE WIFI」と基本仕様は同等ながら、カラーリングやイルミネーションが「MAVERIK」のコンセプトカラーにカスタムされている |
「MAVERIK」には、あらかじめオーバークロック済みのCPUが組み込まれているが、その状態で安定した動作を可能にしているのは、信頼性に優れたマザーボードがあってこそ。「MPG Z590 GAMING EDGE WIFI SP」は75A Smart Power Stageによる14+1+1フェーズ構成の堅牢な電源回路を搭載、それを高冷却仕様の大型ヒートシンクで放熱している。
メモリスロットは最大5,333MHz動作のDDR4×4を実装。ストレージはPCI-Express4.0対応およびPCI-Express3.0対応のM.2スロットを合計3スロット備え、そのすべてに専用ヒートシンクの「M.2 Shield FROZR」を装備している。グラフィックスカード用の拡張スロットは、装甲仕様の「Steel Armor」だ。
合計16フェーズの電源回路を搭載。「MAVERIK」仕様の特別カラーに変更された、拡張ヒートシンクのドラゴンロゴが一際目を引く |
バックパネルインターフェイスには、2.5ギガビットLANやUSB3.2 Gen.2×2ポート、Wi-Fi 6E用のアンテナ端子などを備えている |
そのほか、ネットワークは2.5ギガビットLANとIntel Wi-Fi 6Eモジュールを備え、高音質オーディオ回路「Audio Boost 5」も搭載。一体型のI/Oパネルが採用され、リアには最大20GbpsのUSB3.2 Gen.2×2など最新インターフェイスが揃っている。
メモリモジュールはMSI製ではなく、G.Skillとのコラボによるカスタムモデルが搭載されている |
メモリはMSIが製品を手がけていない数少ないカテゴリだが、「MAVERIK」にはG.Skillとのコラボモデル「Trident Z MAVERIK」が組み込まれている。DDR4-3,600MHzに対応するオーバークロックメモリで、容量は32GB(16GB×2)。高品位の選別ICや10層PCBを採用する「Trident Z RGB」ベースの特別カスタムモデル、コンセプトカラーのピンク×オーシャンブルーに発光するライトバーがマシン全体との一体感を演出してくれる。
ヒートスプレッダやライトバーには、「MAVERIK」だけの特別デザインが施されている |