エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1051
2021.09.10 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
日本版にのみ組み込まれるグラフィックスカード。こちらは一般流通品と同じで、デザインなどに特別なカスタマイズは加えられていない |
グローバル市場における「MAVERIK」にはグラフィックスカードが搭載されていないが、日本仕様ではGeForce RTX 3060搭載の「GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC」が標準で組み込まれている。別途グラフィックスカードを用意する必要がなく、ユーザー側の手間が減っているわけだ。
デュアルファンクーラーを採用するミドル向けGPU搭載モデルで、補助電源は8pin×1仕様。クリアランスは十分すぎるほど確保されている |
動作クロックはブーストクロック1,807MHzのオーバークロック仕様で、GDDR6 12GBのビデオメモリを実装。「TORX FAN 3.0」を採用したデュアルファンクーラーを装備し、低負荷時に回転を停止するセミファンレス機能も備えている。
なおミドルレンジクラスのグラフィックスカードとあって、その全長は235mmと控えめ。「MPG VELOX 100P AIRFLOW SP」は最長380mmの拡張カードスペースを備えるPCケースのため、かなり余裕をもって収まっている。冷却を阻害する要素は皆無だろう。
出力インターフェイスは、DisplayPort×3、HDMI2.1×1の4系統を備えている |
あらかじめ電源ユニットを搭載しているのは国内版のみ。シュラウドに設けられた“窓”から搭載モデルを覗き見ることができる |
電源ユニットもまた、グラフィックスカード同様に日本向けモデルのみ標準搭載。組み込まれているのは、80PLUS GOLD認証を取得した850W電源の「MPG A850GF」だ。
すべてのケーブルを着脱式としたフルモジュラー仕様の電源ユニットで、コンデンサには日本メーカー製105℃品を採用した信頼性重視の設計。冷却機構には、最大騒音わずか22dBAの140mm径FDBファンが搭載されている。
80PLUS GOLD認証の850Wモデル「MPG A850GF」を搭載。静音・高信頼性を特長とするフルモジュラータイプの電源ユニットだ |
なおMSI正規代理店の株式会社アスクでは、「MAVERIK」を組み立てる際に使用しなかった「MPG A850GF」のモジュラーケーブルを無償で提供している(受付は2022年8月31日まで)。将来的なグラフィックスカードのアップグレードなど、自身でのカスタマイズを考えているユーザーは手配しておいた方がいいだろう。
画像セッションを締めくくるにあたり、最後は裏配線スペースを覗いてみよう。さすがは国内PCメーカーの製品製造を手がける工場で組み立てられたとあって、ケーブル処理も手慣れた印象だ。24pinと8pinケーブルは延長ケーブルを使用して無理なく配線され、全体的にゆとりを感じさせる。2.5インチベイ近くにまとめられた余剰ケーブルの中にはSATA電源ケーブルもあり、追加で2.5インチSSDを組み込む際も不自由はないだろう。
「MAVERIK」の裏配線スペース。主要ラインに手際よくケーブルがまとめられている |
24pinおよび8pinケーブルは、延長ケーブルを使用することで無理のない配線に仕上げている |
搭載されたARGBデバイスを統合制御しているコントロールハブ。全6ポートの内、3ポートが使用されている |
余剰ケーブルはシュラウド内の空きスペースにまとめて収納。システムには使用されていないSATA電源ケーブルもここに収められている |