エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1056
2021.09.21 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
ここからはパッケージより本体を取り出し、「Lumen S36 RGB」の外観デザインから各々の詳細を解説していこう。Fractalの製品サイトのダウンロード項目には、マニュアルとプロダクトシートの2種類が公開されており、前者は製品に同梱されているマニュアルのPDF版、後者は製品の特徴をダイジェスト形式で列挙されたもの。購入前に組み込むシステムとのマッチングを調べたり、モデル選定時における事前チェックにはたいへん役に立つ。それらも合わせて本稿も参考にして頂ければ幸いだ。
まずはウォーターブロックを解説しよう。角丸円形が特徴のヘッド部分はプラスチック製で、CPUと接触する受熱ベース(コールドプレート)は熱伝導率に優れる銅製を採用。サーマルペースト(グリス)が塗られた状態で出荷される。
サイズは直径が67mm、高さが43mm(いずれも公称値)で、側面には90°可動式エルボフィッティングとチューブが接続済み。また出荷時よりIntel用ブラケット(Bracket for Intel)が装着されていた。
コールドプレートには円形にサーマルペーストが塗布済み。別途グリスは付属しないため、塗り直しや換装時には自ら準備する必要がある |
なお多くのオールインワン型水冷ユニットは、ウォーターブロックにポンプが内蔵されているが、「Lumen S36 RGB」の場合はラジエター部分に搭載されている。一体型にしないメリットは、ウォーターブロック自体の背が低く設計できること。小型でCPUクーラー有効スペースが限られたPCケースでも、高冷却能力が期待できるオールインワン型水冷ユニットが搭載できるというわけだ。
側面に接続されるL字型フィッティングは、90°可動に対応。ウォーターチューブの方向を自由に変更できる |
そして「Lumen」シリーズには共通で、ヘッド部分にアドレサブルRGB LEDが搭載されている。数あるオールインワン型水冷ユニットの中から、「Lumen」シリーズを選択する決定打にもなり得るギミックで、アドレス指定対応のマザーボードと同期させることで、一体感のある光の連携を楽しむ事ができる。プラスチックカバーにより発光色は柔らかで、グラデーションも鮮やかに表現。さらにカバーは取り外しが可能で、出荷時では3時の方向にあるロゴマークを6時、9時、12時の方向へ付け替える事ができるのだ。ロゴが固定式となる一部の製品では、設置方向によってはロゴが逆さまになってしまい、ユーザーをガッカリさせる事がある。Fractalではユーザーの声を取り入れ、簡単に変更できるようにした。
取り外し可能なカバー部。アドレサブルRGB LEDは、ASUS Aura Sync、GIGABYTE RGB Fusion、MSI Mystic Light Sync、ASRock Polychrome RGB Syncに対応。マザーボード各社のコントロールソフトウェアから、イルミネーションを一括して制御できる |
ウォーターブロックの側面と、ラジエターの末端に接続される、ウォーターチューブ。チューブ長はウォーターブロックとラジエターの両付け根部分までが370mmとされ、比較的大型なPCケースにも設置ができる。
素材は低浸透性ゴムチューブで、外皮はナイロン製網組スリーブ仕上げ。前述のウォーターブロック側面の90°可動エルボフィッティングとフレキシブルなチューブの採用により、良好な取り回しが体験できる。