エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1057
2021.09.23 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
続いて各APU搭載時の消費電力をチェックしていこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「OCCT 9.1.0:CPU:データセット大」を動作させた際の最高値をそれぞれ選択している。
アイドル時の消費電力いずれも14W弱とかなり控えめで、特に常時PCを起動しておくようなシーンでは大いに力を発揮してくれるだろう。またマルチスレッド処理でも10%以上高いパフォーマンスにも関わらず高負荷時の消費電力はRyzen 7 PRO 4750Gより9W低く、Ryzen 7 5700Gのワットパフォーマンスはかなり優秀だ。
ベンチマークテストのラストは付属CPUクーラーの冷却性能をチェックしていこう。なおストレステストには消費電力と同じ「OCCT 9.1.0:CPU:データセット大」を使用している。
Ryzen 7 PRO 4750GではCPUクーラーが常にフル回転しているにも関わらずCPU温度はおおむね90℃前後、ところによっては許容温度の最高値である95℃まで上がるシーンもある。一方Ryzen 7 5700Gでは前半が75℃前後、後半が80℃前後、最高温度も85℃で頭打ち。ファンの回転数も途中2回最高回転まであがるものの、それ以外は2,500rpm前後。実際の動作音も明らかに静かで、冷却性能や騒音といった面ではRyzen 7 5700Gを導入するメリットはかなり大きい。
今回はASRock「DeskMini X300」と、AMDの新APU Ryzen 7 5700Gの組み合わせをチェックしてきた。GPUクロックが若干引き下げられていることもあり、「3D Mark」系こそわずかに劣勢だが、実際のゲームベンチマークではいずれもRyzen 7 PRO 4750Gを上回るパフォーマンスを発揮。またスコアを確認する限り、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」を除けば、動作も全く問題なし。内蔵GPUということで過度の期待は禁物だが、フルHD解像度までなら多くのゲームをストレスなく動作させることができる。
そしてZen 3アーキテクチャが得意としているCPU関連のパフォーマンスについては、シングルスレッド、マルチスレッド処理とも大幅に向上。オフィス系のアプリケーションを使ったビジネス作業はもちろん、動画のエンコードやレンダリングといったクリエイティブな作業にも十分耐えることができる。
さらにRyzen 7 PRO 4750Gから消費電力や発熱が低下しているのも、内部スペースの関係で搭載できるクーラーが限られている「DeskMini X300」にとっては大きなメリットだ。
協力:ASRock Incorporation