エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1058
2021.09.28 更新
文:撮影・編集部 松枝 清顕
ここからのセッションでは、ドライブベイレイアウトを解説する。決して”大収納力が自慢のPCケース”ではないため、搭載可能数は必要最低限に抑えられている。確かに筐体の設計を見れば増設できる余地はまだあるものの、無理をせずゆったりとした内部空間を確保する事に重点が置かれているようだ。このあたりは設計者のさじ加減といった所だろう。
さてメインとなるのは、ボトムカバー内部の前方に設置されている、ケージタイプのシャドウベイユニット。近頃のAntecが率先して採用するこのスタイルは、プラスチック製専用トレイに2.5/3.5インチドライブを1台、さらにユニット天井部分にも2.5/3.5インチドライブを1台設置できる。つまり仕様上の表記では、2.5/3.5インチドライブ最大2台となり、2.5インチSSDx2台、3.5インチHDDx2台、または2.5インチSSD+3.5インチHDDといった組み合わせができるワケだ。
Antecが好んで採用する、ケージタイプのシャドウベイユニット。ハンドスクリュー1本で固定されており、天板部にドライブを搭載する場合は、取り外しが必須になる |
プラスチック製専用トレイには3.5インチHDDをツールフリーで固定。2.5インチSSDは底面のネジ穴を利用 |
シャドウベイユニットの天板に3.5インチHDDを搭載するには、ドライブ固定用ゴムブッシュとドライブ固定用ネジを使い、底面から固定を行う |
もう1つが、フロントパネル付近のマザーボードトレイ表裏どちらかに設置する、2.5インチSSDラックだ。2台分がネジ留めできるスペースが用意され、上下各1本のハンドスクリューで固定するプレート(ラック)は、表裏どちらにも設置ができるようになっている。搭載してしまえば露出する事はないため、ケーブルの取り回しを考慮して、設置場所を選択すればいい。
マザーボードトレイ背面に設置し出荷される2.5インチSSDラック。SSDの固定には付属のドライブ固定用ゴムブッシュとドライブ固定用ネジを使用する |
強化ガラス仕様なら露出を考慮して積極的に選択したいマザーボードトレイ表面の搭載スペース |
2.5インチSSDラックは上下各1本のハンドスクリューでマザーボードトレイ面にネジ留め。2.5インチSSDは縦に2台を並べて固定できる |
マザーボードトレイ表裏の搭載例。システムの構成により、ケーブル配線がしやすい箇所に固定しよう |
外観セッションのリアパネルでも確認済みだが、拡張スロットは全7段構え。ATX規格のミドルタワーPCケースでは標準的な装備だ。拡張スロット金具は各々独立してインチネジで固定。金具自体はハニカム状の通気孔仕様で、少しでも換気できるよう配慮されている。
なお背面から見て分かるように、拡張スロット金具の折り返し部分は、スライド式のステイで補強する仕組み。つまりグラフィックスカードを搭載する場合は上下2箇所のハンドスクリューをゆるめてステイを右手にスライド。拡張スロット金具を外し、グラフィックスカードをネジ留めする手順になる。
未使用時の拡張スロット金具はハニカム状の通気孔を兼用。魅せる要素が無いため、流行の垂直設置用拡張スロットの用意はない |