エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1059
2021.09.30 更新
文:撮影・松枝 清顕(解説)/ 検証セッション・池西 樹
ここからは「Silent Cooler OWL-SC200」を実際にPCに組み込み、冷却性能をチェックしていこう。まずは第11世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルCore i9-11900Kの検証から進めていく。ストレステストは「OCCT 9.1.0:CPU:データセット大」と「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」の2種類。マザーボードのファンコントロール機能は初期設定で、CPU温度およびファン回転数の取得には「HWiNFO64 v7.10」を使用している。
第11世代Intel Coreプロセッサの最上位モデルCore i9-11900K。CPUの性能を限界まで引き出す最新ブースト機能「Adaptive Boost」を有効にした状態でもテストを実施した |
CPUクロックや温度、ファン回転数の計測には「HWiNFO64 v7.10」を使用 |
まず定格駆動時の温度を確認すると「OCCT 9.1.0」は76~77℃、より負荷の高い「CINEBENCH R23」でも80~81℃で推移。動作クロックもTurbo Boost 2.0の全コア最高値である4.70GHzを維持できており、定格であれば全く動作に問題はない。
続いて「Adaptive Boost」の結果を確認すると、「OCCT 9.1.0」の動作クロックは概ね4.80~5.00GHz、「CINEBENCH R23」は4.80~4.90GHzで、全コア最高クロックの5.10GHzまで上がることはまれだった。さらに「CINEBENCH R23」ではサーマルスロットリングによって消費電力も310W前後までしか上がらず、さすがにシングルファンの空冷クーラーで「Adaptive Boost」の性能を最大限に引き出すことは難しいようだ。
ファン回転数はいずれもほぼ最高回転となる1,550rpm前後で推移。ノイズレベルも42dBA弱まで上昇し、バラック状態のテストでは風切り音が聞こえてくる。ただし、ファンのサイズが130mmと大きいこともあり、耳障りな高周波ノイズはほとんど聞こえてこない。数値ほどうるさく感じることはなく、PCケースに収め、机の下に置いてしまえば気にならないレベルだろう。