エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1061
2021.10.09 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部/撮影:pepe
液晶ディスプレイ市場において、近年にわかに存在感を増しているのがウルトラワイドのゲーミング液晶だ。その最大の魅力は、アスペクト比21:9の横長画面がもたらす広大な表示領域。左右の視界が広がることで、プレイが有利になるアドバンテージが手に入るのはもちろん、ゲームの世界そのものが広がる楽しさは格別だ。また、複数のアプリケーションや資料を並べて作業できることから、オフィスワークの生産性向上も狙える。
今回はそうしたウルトラワイド液晶の中から、5月末より販売が開始されているMSIの29.5型モデル「Optix MAG301RF」を取り上げる。ウルトラワイド初のRAPID IPSを採用した注目の製品で、リフレッシュレート200Hzの高速描画と応答速度1ms(GTG)を実現。動きの速いシーンでも残像感のないクリアな映像が楽しめる。
MSI「Optix MAG301RF」 市場想定売価税込54,800円前後(2021年5月20日発売) 製品情報(エムエスアイコンピュータージャパン株式会社) |
そもそもIPSパネルと言えば、発色や視野角特性に優れる一方で、応答速度を上げにくいというのが従来の常識だった。しかし従来型IPSパネルに比べ4倍高速なRAPID IPSが台頭するに至り、高いリフレッシュレートと応答速度も兼ね備えたゲーミング液晶が数を増やしている。今回の主役である「Optix MAG301RF」の登場により、その潮流がウルトラワイドモデルにも波及した格好だ。
横長スタイルが際立つ、背面からのショット。背面には、RGBライティング「Mystic Light」に対応するLEDも内蔵されている |
通電時は「Mystic Light」が点灯、他の対応デバイスとイルミネーションを同期させることも可能だ |
ここで一旦、「Optix MAG301RF」の基本スペックや主要な搭載機能をまとめてチェックしておこう。最大WFHD解像度(2,560×1,080)の29.5型ウルトラワイド液晶で、前述の通り高速なRAPID IPSパネルを採用。リフレッシュレート最大200Hz、応答速度1ms(GTG)で動作する。ディスプレイ同期は「G-Sync Compatible」に対応し、NVIDIAの対応グラフィックスカードを組み合わせることで、ティアリングやカクつきのない滑らかな映像でゲームプレイが可能だ。
また、最大表示色は約10億7,300万色でHDRに対応。発色特性に優れたIPSパネルの利点を活かし、sRGBカバー率99%、DCI-P3カバー率85%の広色域表示も特徴とする。高速描画・高速レスポンスのゲーミング的な性格に加え、正確な色表現の映像が楽しめる点も魅力の一つというわけだ。最大輝度は300cd/㎡と明るく、コントラスト比は1,000:1、視野角は水平垂直178°とされる。
そのほか、暗部の視認性を高める「ナイトビジョン」やモーションブラーの軽減機能「アンチモーションブラー」、画面のチラつきを防ぐ「アンチフリッカー」、目の負担を軽減する「ブルーライトカット」といった機能を搭載。画質プリセットや各種設定にPC上から一画面でアクセスできる、MSI独自の便利なアプリケーション「Gaming OSD」も利用できる。
なお、入力インターフェイスはHDMI2.0b×2、DisplayPort1.2a×1の3系統。USB2.0×2のハブ機能も備えている。
パッケージの外形寸法は幅960mm、奥行き180mm、高さ510mm。ウルトラワイドモデルらしく横長で、総重量は約10.12kg。店頭から直に持ち帰るのは、あまり現実的ではなさそう |