エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1062
2021.10.11 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
「X570S AORUS ELITE AX」の電源回路には、バックパネルインターフェイスまで迫り出す大型のヒートシンクを搭載することで、冷却性能を強化している。そこで「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」によるストレステストを実施して、その実力をチェクしていこう。
アイドル時のサーモグラフィ | 高負荷時のサーモグラフィ |
CPUの冷却にオールインワン型水冷ユニットを使い、さらにケースファンもないエアフロー的には厳しい条件でのテストだが、MOSFETの温度は47℃で頭打ち。動作クロックも全コア4.50GHz前後、消費電力も220W強まで上昇しており、ブースト機能もしっかりと効果を発揮している。またサーモグラフィの結果を確認すると、ヒートシンク全体に熱が広がっており、MOSFETやフェライトコアチョークから発生した熱を効率よく冷やすことができているようだ。
テストセッションのラストは、チップセットに実装されているファンレスヒートシンクの冷却性能で締めくくろう。ストレステストは「CINEBENCH R23:Minimum Test Duration:30 minutes」、「CrystalDiskMark 8.0.4」(中段スロットに装着して約30分連続実行)、「Time Spy Extreme Stress Test」の3種類を使用した。
アイドル時のサーモグラフィ | 「CrystalDiskMark 8.0.4」実行時のサーモグラフィ |
チップセットへのアクセスがほとんどない「Time Spy Extreme Stress Test」では46℃前後でほぼフラットなグラフ。また「CINEBENCH R23」では52.5℃、チップセットへのアクセスが集中する「CrystalDiskMark 8.0.4」でも62℃までしか上がらずファンレスでも冷却性能に全く不安はない。
今回はGIGABYTEのAMD X570Sマザーボードの最新作「X570S AORUS ELITE AX」の検証を進めてきた。初期モデルでは高速ファンを使い冷却していたAMD X570のファンレス化ということで、発熱を心配している人もいるだろうが「マルチカット設計」のファンレスヒートシンクの冷却性能は上々だ。
そして電源回路についても高効率なパーツや、ヒートシンクの大型化により発熱が低下。定格運用でもブースト機能の効きによって大きく性能が変わるRyzen 5000シリーズだが、そのポテンシャルを最大限に引き出すことができる。
さらにUSB3.2 Gen.2×2 Type-Cや、2.5ギガビットLAN、Wi-Fi 6E対応の無線LANなど最新インターフェイスも充実しており、AMD X570Sマザーボードとしては抜群のコストパフォーマンスを誇る。価格がこなれてきたRyzen 5 5600XやRyzen 7 5800XでゲーミングPCを組むなら、「X570S AORUS ELITE AX」はピッタリの製品と言えるだろう。
協力:日本ギガバイト株式会社