エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1063
2021.10.13 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
まずは3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」から、レイトレーシングの性能をチェックする「Port Royal」の結果を確認していこう。
Radeon RX 6600がターゲットにしているフルHDより高解像度なWQHDによるテストであること。さらにもともとRadeon RX 6000シリーズがあまりレイトレーシング機能を得意としていないこともあり、スコアは4,000ポイント以下。フレームレートも17.47fpsとゲームをするには厳しい結果。レイトレーシング機能については過度の期待は禁物だ。
また上位モデルであるRadeon RX 6600 XTと比較するとその差は約18%で、ほぼピーク演算の性能差通りの結果になっている。
続いて、シーン全体をレイトレーシングにて描画するより負荷の高い「DirectX Raytracing」の結果を確認しておこう。
「Port Royal」よりもさらに重いベンチマークと言うことで、フレームレートは9.17fps止まり。テスト中の映像もコマ落ちが多く、とても快適なプレイは望めない。とは言え、同じミドルレンジに位置づけられるRadeon RX 6600 XTでも11.07fps、より最適化が進んでいるGeForce RTX 3060でもこれまでの検証で20fps前後までしか上がらなかったことを考えると、そもそもレイトレーシング機能がミドルレンジにはかなり厳しい事がわかる。レイトレーシング機能を有効にして快適にゲームを楽しみたいなら、素直にハイエンドグラフィックスカードを用意したほうがいいだろう。
続いて一般的なゲームで使用されているラスタライズ性能を確認していこう。まずはAPIにDirectX 12を使用する「Time Spy」のスコアからだ。なおプリセットは「Time Spy」と「Time Spy Extreme」の両方で計測を行った。
WQHDの「Time Spy」のスコアは約8,500ポイント、フレームレートもGraphics test 1で52.01fps、Graphics test 2でも45.82fpsを記録。主要ゲーム性能を算出する「Estimated game performance」(Battlefield V/1440p Ultra)でも「80+FPS」の判定で、描画にラスタライズを使用するゲームであれば、WQHDでもかなりのゲームが高画質設定で快適に動作するだろう。
一方、「Time Spy Extreme」のスコアは約4,000ポイント、フレームレートも20fps前半に留まりシングルプレイのゲームでもやや厳しいスコア。4Kについては流石に荷が重いと言わざるを得ない。なおRadeon RX 6600 XTとの差はいずれも約18%で、レイトレーシング系のベンチマークとほぼ同じだった。
APIにDirect X11を使用する旧世代のラスタライズテスト「Fire Strike」のスコアも確認しておこう。なおディスクリートグラフィックスカードということを考慮して、プリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類全てで計測を行っている。
「Fire Strike」の総合スコアは20,000ポイント超え。フレームレートもGraphics test 1が106.46fps、Graphics test 2が96.25fpsで、AMDの言う通りフルHD解像度までなら、重量級のゲームでも快適にゲームを楽しむことができる。またWQHDの「Fire Strike Extreme」でも総合スコアは10,000ポイントを超えており、ゲームによってはマルチプレイでも十分なフレームレートが期待できる。
ただし、4Kの「Fire Strike Ultra」については総合スコアが約5,400ポイント、フレームレートも30fpsを超えることはなく、シングルプレイでも画質の調整は必要になるだろう。なおRadeon RX 6600 XTとの差はこれまでの結果とほぼ同じだった。