エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1070
2021.11.04 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
オープンソースの統合型3DCGレンダリングソフトウェア「Blender」のベンチマーク結果も確認しておこう。なおデータは用意されている6種類全てでテストを行っている。
まずCore i9-11900Kとの比較では、テストによってややブレはあるものの最低でも約30%処理速度を短縮でき、これまでと同様「Eコア」が追加された影響はかなり大きい。ただし、Ryzen 9 5950Xとの比較ではvictorで約17%、その他でも約1~3%遅いスコアで、「V-Ray 5 Benchmark」と同様、スレッド数が多いほうが有利なようだ。
続いて、動画変換ソフト「Hand Brake 1.4.2」のエンコード性能をチェックしていこう。テスト用のデータは約5分間の4Kデータで、「HQ 1080p30 Surround」と「Super HQ 1080p30 Surround」のプリセットを選択した場合のフレームレートを計測している。
Core i9-11900Kと比べると「HQ 1080p30 Surround」で約50%、「Super HQ 1080p30 Surround」では約68%と大幅にエンコード速度が向上している。またRyzen 9 5950Xとの比較でもいずれも約9%高いスコアで、動画のエンコードでは「Pコア」が効率よく動作しているようだ。
統合ベンチマークソフト「SiSoftware Sandra 20/21」のCPU関連テストである「プロセッサの性能」と「マルチメディア処理」のスコアも確認しておこう。
まず「プロセッサの性能」から確認していこう。これまでのテストに比べると「Eコア」の効果が小さいようで、Ryzen 9 5950XにはかなわないもののCore i9-11900Kからは「Whestone浮動小数点/倍精度」が約8%、「Dhrystone Aggregated-int」では約29%パフォーマンスが向上。また「マルチメディア処理」でも「集計マルチメディア整数」で約13%、「集計マルチメディア浮動小数点」で約18%性能が向上しており、「ハイブリッド・アーキテクチャ」の効果は出ている。
第12世代Intel Coreプロセッサの特徴のひとつにDDR5メモリへの対応がある。そこで「AIDA64 Extreme」を使い、メモリ関連のパフォーマンスをチェックしていこう。テストには「メモリリード」「メモリライト」「メモリコピー」「メモリレイテンシ」の4つのベンチマークを使用している。
今回のテストでは、メモリクロックを敢えて定格であるDDR5-4800で動作させているが、DDR4-3200の設定であるCore i9-11900KやRyzen 9 5950Xからは「メモリリード」で50%以上、「メモリライト」や「メモリコピー」でも40%以上も高速化され、DDR5メモリの効果は非常に大きい。その分「メモリレイテンシ」が増加しているものの、メモリ帯域とのトレードオフと考えれば全く問題はないだろう。