エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1070
2021.11.04 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
テストセッションのラストは消費電力を確認していこう。アイドル時は起動直後10分間放置した際の最低値を、高負荷時は「CINEBENCH R23」実行時の最高値を採用している。
アイドル時の消費電力はいずれも70W前後で大きな違いは出なかった。またすべてのコアがフル稼働する高負荷時の消費電力だが、Ryzen 9 5950Xに比べると未だに多いものの、Core i9-11900K(Adaptive Boost有効)に比べると40W以上も低下。「CINEBENCH R23」のマルチコアテストの性能が約7割もアップしていることを考えると、Core i9-12900Kのワットパフォーマンスは劇的に改善されている。またCPUの温度も90℃前後で推移しており、Core i9-11900Kに比べると冷却のハードルも確実に下がっている。
今年3月に登場した第11世代Intel Coreプロセッサから約8ヶ月。CPUとしてはかなり短いスパンで投入された「第12世代Intel Coreプロセッサ」だが、Intel x86系では初となる「ハイブリッド・アーキテクチャ」や、最新プロセス「Intel 7」の採用など、かなりドラスティックな改良が加えられている。
その結果、今回検証を行ったゲーム系ベンチマークでは、先代のCore i9-11900Kはもちろん、直接のライバルとなるRyzen 9 5950Xをも上回った。特にFPSやバトルロイヤルなど、画質よりもフレームレートを追求するゲームでは強さを見せ、Intelの謳い文句である「世界最高レベルのゲーム向けプロセッサ」通りの性能を発揮する。
また16コアのうち半分は効率重視の「Eコア」ながら、コア数が同等になったことで、これまでRyzen 9シリーズの独壇場だったエンコードやレンダリングなどのマルチスレッド性能も飛躍的に向上している。一部ではRyzen 9 5950Xを上回るものもあり、同等以上のパフォーマンスと言って差し支えないだろう。
消費電力は未だに高いものの、こちらもCore i9-11900Kからは大幅に改善。さらにPCI-Express5.0やDDR5といった最新規格にもいち早く対応した「第12世代Intel Coreプロセッサ」は、Intelの復活を強く印象付けるCPUと言えるだろう。