エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1072
2021.11.09 更新
文:撮影・こまめ
ここからは「Summit E16 Flip A11U」のベンチマーク結果を交えながら、実際のパフォーマンスについて解説する。評価機のスペックは、CPUがIntel Core i7-1195G7でメモリ容量は32GB、ストレージは1TB PCI-Express4.0 M.2 SSD、グラフィックスはNVIDIA GeForce RTX 3050だ。
なおベンチマークテストの実施あたりWindows 10の電源プランを「バランス」に設定し、電源モードを「最も高いパフォーマンス」に設定。さらに「MSI Center Pro」の「Performance Optimizer」で動作モードを「ハイパフォーマンス」に変更した上で、空冷ファンを最大出力で動作させる「クーラーブースト(Cooler Boost)」を有効にしている。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングなどで大きく変わることがあるため、あくまで参考値として考えていただきたい。また文中で触れている他パーツとの比較値は、筆者調べによるものだ。
まずはCPU性能を計測する「CINEBENCH R15」および「CINEBENCH R20」の結果から。
「Summit E16 Flip A11U」で使われているIntel Core i7-1195G7は、従来の第11世代Intel Coreプロセッサよりもクロックを引き上げたTiger Lake-UP3シリーズの最上位CPUだ。Intel Turbo Boost Max Technology 3.0対応で、全コア動作時の最大クロックは4.6GHzに達する。シングルコア動作時の最大クロックは5.0GHzだ。
ベンチマーク結果を見るとマルチコア性能ではZen2/Zen3世代のRyzenシリーズには及ばなかったものの、第11世代Intel Coreプロセッサのなかではもっとも高いスコアが出ている。シングルコア性能では、Ryzen / Intel Coreプロセッサを含めて最高のスコアだ。
ストレージとしては、512GBまたは1TBのPCI-Express4.0 M.2 SSDが使われている。評価機で使われていたのは、Phisonの「SM2801T24GKBB4S-E162」だ。アクセス速度を計測したところ、シーケンシャルリードで4,919MB/secと従来のPCI-Express3.0を上回る優秀な結果だった。
データサイズを64GiB、テスト回数を「9回」に変えて計測を3回連続で行なってSSDに高い負荷をかけたところ、シーケンシャルリードの速度低下が見られた。サーマルスロットリングの影響だと思われるが、よほど大容量のデータを長時間アクセスし続けない限り、体感的には変わらないと思われる。
「CrystalDiskMark 8.0.4 x64」による1TB PCI-Express4.0 M.2 SSDのアクセス速度計測結果。左が通常時で、右が高負荷時 |
3Dベンチマークソフト「3DMark Version 2.20.7290」から、DirectX 12のパフォーマンスを計測する「Time Spy」の結果は以下のとおり。
2,560×1,440ドット時のパフォーマンスを計測する「Time Spy」では総合スコアが「4285」と低めの結果だった。エントリー向けGPUが使われていることを考えれば、仕方のない結果だろう。ただ前世代のエントリーGPUであるNVIDIA GeForce GTX 1650 / 1650 Tiのスコアは上回っており、同じエントリー向けでもパフォーマンスが向上していることがわかる。