エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1074
2021.11.14 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
第12世代Intel Coreプロセッサは「Performance-core」と「Efficient-core」のハイブリッド構成を採用しており、改良された電源制御機構には、より長時間のブースト動作を可能にする「Maximum Turbo Power」が導入された。当然ながらマザーボード側への負荷もこれまで以上に大きくなるため、CPUの性能を引き出すためには優れた電源回路が必須になるというわけだ。
高耐久をウリにする「Steel Legend」シリーズらしく、ミドルレンジながら充実した構成の電源回路を備えている |
「Z690 Steel Legend WiFi 6E」の電源回路は、ミドルレンジクラスのマザーボードとしては十分と言える12+1フェーズ構成。そしてハイサイド・ローサイドMOSFETとドライバICを1パッケージに集積した50A対応のDr.MOSをはじめ、飽和電流を通常の2倍に高めたチョークコイル「プレミアム60Aパワーチョーク」、長寿命コンデンサの「ニチコン製12Kブラックコンデンサ」を採用するなど、いずれも厳選された高品質コンポーネントが搭載されている。
合計13フェーズ構成の電源回路を搭載。CPU補助電源コネクタは8pin×2を備えている |
「プレミアム60Aパワーチョーク」や「ニチコン製12Kブラックコンデンサ」などのコンポーネントを採用。PWMコントローラはRichtek「RT3628AE」が実装されていた |
電源回路のヒートシンクには、大型のアルミ製ヒートシンク「XXL Aluminum Alloy Heatsink」を採用。放熱面積を稼ぐため、独特な中空構造になっている |
取り外したヒートシンク。Dr.MOSとチョークコイルの両方の接触部にサーマルパッドが貼り付けられている |
電源回路のヒートシンクを覆うように搭載されている、一体型I/Oパネルのアルミ製カバー。ARGB LEDモジュールが組み込まれている |
第12世代Intel Coreプロセッサに合わせて刷新された、LGA1700のCPUソケット。CPU自体が縦方向に大型化したこともあり、CPUクーラーも新ソケット用のリテンションが必要になる |
取り付け方法は従来と変わらない。ただしピン数が増えているため、組み込みの際はより注意深く取り付けたいところ |
第12世代Intel Coreプロセッサに合わせてリリースされたIntel Z690チップセット。パッケージサイズは28×25mmで、TDPは6Wとされる |
「Z690 Steel Legend WiFi 6E」が搭載するチップセットは、現状で唯一の第12世代Intel Coreプロセッサ対応チップである「Intel Z690」だ。DDR5メモリやCPUのPCI-Express5.0レーンが利用できるほか、CPUとの接続に帯域幅の広いDMI4.0x8が採用されたことで、CPU・チップセット間のボトルネックも解消された。
また、Intelのチップセットとしては初めてPCI-Express4.0レーンに対応。最大4ポートのUSB3.2 GEn.2×2や2.5ギガビットLAN、Intel Wi-Fi 6Eなどのインターフェイスをサポートするほか、CPUのオーバークロックやPCI-Expressレーン分割(x16/x4またはx8/x8/x4)機能も備えている。
厚みのある大型のチップセットヒートシンクが搭載されていた。基板には3箇所でネジ留めされている |