エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1078
2021.11.26 更新
文:編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
CPUソケットの上側と左側には放熱性を高めるため大型のアルミニウムヒートシンクを搭載。なおヒートシンクは幅だけでなく、高さもあるため空冷のCPUクーラーを搭載する場合はクリアランスを確認しておこう |
第12世代Intel Coreプロセッサでは電源管理機構も改良され、より長時間ブースト状態を維持することができる「Maximum Turbo Power」が新たに設定された。これにより、定格動作時でもマザーボードの電源回路の良し悪しによってパフォーマンスに差がつく可能性があるわけだ。
そこで「ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI」では、従来モデルである「ROG STRIX Z590-F GAMING WIFI」(14+2フェーズ)からフェーズ数を16+1フェーズへと拡張。さらにMOSFETも「60A Smart Power Stage」(60A SPS)からより高出力な「70A Smart Power Stage」(70A SPS)にアップグレードされている。
またCPUが必要とする電力をスムーズに供給することができる「Digi+ Power Control」や、温度耐性に優れる「合金チョーク」「高耐久コンデンサ」、メタルシールドを施すことで放熱性を高め電気抵抗を軽減した「ProCool IIコネクタ」による8+8pinの電源コネクタなど、厳選した高品質なパーツを採用することで、CPUの持つポテンシャルを最大限に引き出すことができるよう設計されている。
電源回路はCPUソケットの左側に10フェーズ、上側に7フェーズの計17フェーズ(16+1フェーズ)構成。また右上にはCPUにスムーズかつクリーンな電力供給を行う「Digi+ Power Control」ICを備える |
電源回路の各フェーズには、ハイサイドMOSFET、ローサイドMOSFET、ドライバICを1チップに統合した「70A SPS」を搭載 |
8pinの電源コネクタはいずれも「ProCool IIコネクタ」を採用する |
そして電源回路の冷却には、L字型のヒートパイプで連結した2ブロック構成の大型アルミニウムヒートシンクを搭載。さらにCPUソケット左側のヒートシンクは、インターフェイスカバーと一体型成形にすることで表面積を拡大し、ファンレスながら高い放熱性能を実現している。
2ブロック構成のヒートシンクの中央にはL字型のヒートパイプを内蔵。またMOSFETだけでなく、チョークコイルとの接触部分にもサーマルパッドが貼り付けられていた |
LGA1700ではCPUクーラー用のホール位置も変更されているが「ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI」では、従来のLGA1200/115xシリーズ向けホールも用意され、既存のクーラーをそのまま使用できる |
「ROG STRIX Z690-F GAMING WIFI」に実装されているチップセットには、Intel LGA1700プラットフォーム向けに設計されたIntel Z690だ。Intelでは初めてチップセット自体にPCI-Express4.0レーンを備え、CPUとの接続にも従来の2倍の帯域幅を誇るDMI4.0x8を採用することでボトルネックを解消している。また「Z」シリーズのチップセットらしく、CPUのオーバークロックやPCI-Expressレーンの分割、RAID機能にも対応する。
チップセットヒートシンクには、ケーブルタイとしても使える面ファスナー素材を採用した「GAMERS」ラベルを実装 |
新機構「PCIe Slot Q-Release」が一体化したチップセットヒートシンク。チップセットとの接触部分には分厚いサーマルパッドが貼り付けられている |
第12世代Intel Coreプロセッサ向けに設計されたIntel Z690。TDPは6Wで、USB3.2 Gen.2×2やIntel Wi-Fi 6E AX211等の高速インターフェイスをサポートする |