エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1079
2021.11.30 更新
文:編集部 絵踏 一/撮影:松枝 清顕
それでは最初に3Dベンチマークソフトの定番「3DMark」から、レイトレーシングテストの「Port Royal」を実行。DirectX Raytracing(DXR)におけるRadeon RX 6600のレイトレーシング性能をチェックしておこう。
まず前提として、Radeon RX 6000シリーズがそれほどレイトレーシングを得意としていないことから、Radeon RX 6600のテストでもスコアは4,000ポイントを割った。フレームレートも17.20fpsと厳しく、レイトレーシングを活用したゲームプレイにはあまり期待できそうにない。テスト環境がWQHD解像度(2,560×1,440ドット)という点も、フルHDを主戦場にするRadeon RX 6600にとっては不利な条件と言える。
続いて「3DMark」が備えるレイトレーシング系テストから、シーン全体をレイトレーシングのみでレンダリングする「DirectX Raytracing feature test」を実行。よりレイトレーシングに特化したテストにて、その特性を見極めよう。
すでに「Port Royal」でレイトレーシング性能に限界があることは分かっていたため、フレームレートが10fpsを切る数値であることは、ある程度想定内。以前に検証を行った、より上位のRadeon RX 6600 XTで11fps前後、Radeon RX 6700 XTでも13fps前後であることから、ミドル~ミドルハイレンジのRadeon RX 6000シリーズ自体がレイトレーシング性能をそれほど重視していないであろうことが分かる。Radeon RX 6600を使う場合は、基本的にレイトレーシング機能をあまり考慮しない方がよさそうだ。
ここからは、一般的なラスタライズ手法によるRadeon RX 6600のレンダリング性能を検証していく。「3DMark」のDirectX 12テストである「Time Spy」から、「Time Spy」および「Time Spy Extreme」の両プリセットを使用して計測を行った。
「Time Spy」(無印テスト)はWQHD解像度のテストプリセットながら、スコアは8,435ポイント、フレームレートも50fps前後と健闘した。主要ゲームの快適指標を算出する「Estimated game performance」(Battlefield V/1440p Ultra)でも「80+FPS」をマークしており、ある程度重量級のタイトルでもWQHD(1,440p)環境で快適なプレイが見込めることが分かった。
ちなみに4K解像度で描画される「Time Spy Extreme」では、スコアが約4,000ポイントでフレームレートも20fps前後と厳しい結果に。もっともフルHDをメインターゲットにしたGPUにとっては、そもそも荷が重いテストであり、悲観する要素はない。
続いては同じく「3DMark」から、Direct X11対応テストの「Fire Strike」を実行する。プリセットは「Fire Strike」「Fire Strike Extreme」「Fire Strike Ultra」の3種類すべてを選択、異なる負荷環境での違いを見ていこう。
まずRadeon RX 6600が最も力を発揮するであろうフルHD環境の「Fire Strike」(無印テスト)では、スコアが21,000ポイントを超え、フレームレートも100fps以上をマーク。重い負荷をかけるベンチマークテストでここまでの結果であれば、ほとんどのゲームにおいて高水準なフルHDプレイが可能だろう。
また、WQHD解像度の「Fire Strike Extreme」はスコアが10,269ポイント、フレームレートも50fps前後に達しており、ゲームタイトルや描画品質次第では十分にWQHD環境の快適プレイが見込めるポテンシャルを示している。その一方でヘビーな負荷の4Kテスト「Fire Strike Ultra」では、フレームレートも30fps未満。4Kプレイが選択肢に入るのは軽量なタイトルに限られそうだ。